IP RIP ~チザイの雑談~

知的財産(Intellectual Property)の「かゆいところに手が届く(Reach the Itchy Place)」お話です。

弁理士「人生で一番緊張した口述試験」[マータ]

みなさま、こんちには。f:id:discussiong1:20200717235637p:plain 

https://twitter.com/b8L18UnY7nPd5NC

 

本日は、弁理士試験のお話です。弁理士は、知的財産の専門家あり、理系の資格では最難関の国家資格であると言われています(自慢)。弁理士になるためには、基本的には弁理士試験(短答試験、論文試験、口述試験の3つの全て)に合格する必要があります。LEC東京リーガルマインドさんのサイトを参考にさせて頂くと、令和元年度の各試験の合格率は下記の通りです(https://www.lec-jp.com/benrishi/about/shiken_data.html)

 

短答試験(マークシート方式):18.3%

論文試験(記述方式):25.5%

口述試験(面接方式):95.6%

 

ちなみに、この年の弁理士試験受験者数 は3,488人で、最終的な合格者数は284人。合格率 8.1%だったそうです。

 

今回は、私が人生で一番緊張した試験、弁理士口述試験について記事にしたいと思います。

 

 

口述試験合格率》

時代によって結構変動しますが、短答試験、論文試験に比較して合格率は非常に高いです(上記の通り95%程度)。近年、口述試験は落とすための試験ではなくなってきているようです。一方、わたしの受験当時(平成26年度)の口述試験合格率は結構低く、79%程度でした。当時は、わたしの周りにも実際に不合格になった方が何名かいましたし、2年連続落ちたという方も見たことがあります。。。落ちてしまうと、また1年間勉強をしなくてはならず、受験生によっては短答試験から受けなおしになる方も。。。合格率が高まっているからといって決して手を抜くことができない試験です。

 

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《勉強法》

LECの口述アドバンス http://www.lec-jp.com/benrishi/book/

を完璧に答えれるように暗記しました。また、受験仲間とお互い口頭で問題を出し合う実践的な練習もしました。ときにはWeb会議システムを使って家にいながらやりました。コロナ禍の今ではWebの方がいいかも知れませんね。試験官の質問に瞬時に反応し、言葉に出して答えるというのは案外難しいので、試験に慣れる意味でも早め早めに勉強を開始した方がいいと思います。

 

《会派の練習会》

本当にありがたいことに色々な会派の方々が口述練習会を開催してくださっており、それに参加しました。わたしは、下記の会派の皆様にお世話になりました。ありがとうございました。

・南甲弁理士クラブ

・春秋会

弁理士同友会

弁理士クラブ

・PA会

また、受験機関(LEC、TAC)の口述試験模試にも参加しました。例えば費用は、LECだと14,000円くらいですね。http://www.lec-jp.com/benrishi/upper/koujutsu/moshi.html

内容は、会派で開催して頂けるのものと基本同じなのでこちらは「口述対策としてやれることはすべてやりたい!」という方向けかなと思います。私の場合は、その年に何が何でも受かる必要があったので受験期間のものも受講しました(短答の免除切れがかかっていた)。あと、受験期間だと特典として想定問題集などをもらえるという利点はありました。

 

《実際の試験》

試験の流れについては、こちらの資格スクエアさんのサイトに詳しく書かれています。

https://www.shikaku-square.com/media/benrishi/010-atrney-oral-examination-thorough-dsection-atrney-test/

 

正直、私は人生で一番緊張しました。口述試験の合格率があまり高くない時代だった、落ちたら短答が免除切れ、プライベートでも子供が生まれこれ以上家族に負担をかけたくなかった、等々の事情があり絶対に落ちる訳にはいきませんでした。

 

実際の試験はというと、特実は終始スムーズに口頭試問が進行し、最後の問題までいき合格点を確信しました。この時点で少し緊張がとけました。ところが!!次の意匠の部屋では途中から試験官と話が全く噛み合わなくなり、試験官も明らかに不機嫌になって最後の問題まで行かずに終了。。終わり際には、試験官の一人に「次の商標では、がんばってね」と言われ不合格を確信しました。。ただ、部屋を出るときはしっかりと「ありがとうございました!」とお辞儀をし、 礼を尽くしました。そして、最後の商標ですが、終盤でまったく分からない質問がでて、何とか回答をしたのですが(口述試験では沈黙してしまうことが最も良くないという話がある)、試験官の顔を見ると正解でないことが明らかでした。そして、ここで時間切れ。ここでも、部屋を出るときはしっかりと、お礼を伝えました。

 

トータルとして、意匠と商標が2つともだめだったので『落ちた・・・・・』という失意のまま新幹線で自宅に帰りました。

 

《合格発表当日》

発表当日、わたしはどうしても特許庁のホームページを開くことができませんでした。「もし番号がなかったら…」「短答の免除期間が切れるから、短答からやり直し…」「法改正もあるからまた勉強し直しか....」などど、恐怖のあまり1時間以上ネットサーフィンをしながら「誰か自分の代わりに合格発表をみて結果を教えてくれ。。。」とあり得ないことを考えていました。

 

ところが、そのあり得ないことか起きました。ネットサーフィンのついでに、ふと自分のメールをチェックしたところ弁理士試験合格おめでとうございます!」というメールが来ていました。??と思いながらメールを開くと、ある会派からのメールで合格祝賀会(なんて素敵な言葉のひびきでしょうか)の案内メールでした。そういえば、練習会に参加する際に、自分の受験番号を書く欄があり記入したのを思い出しました。その後も次々に色んな会派から同様のメールが来ました。各会派の方は、合格発表の日に、口述練習会の参加者が合格したかチェックしたみたいです(あくまで2014年の話ですが)。それらのメールをみてやっと自分の目で特許庁のホームページを見ることができ、自分の番号を確認することができました。

 

《感想》

結局、意匠と商標どっちに合格点がついたか分からずじまいでしたが、手応えがなくても気持ちを切り替えてベストを尽くすことが重要だと思いました。また、人対人の試験なので試験官に礼を尽くすことも大事だと思います。近年、合格率が上がっているとはいえ、それでも落ちる方はいるわけで、落ちたらまた膨大な時間を試験に費やすことになります。今後、受験される方は油断せず、しっかりと対策されることをオススメします。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!