こんにちは。
今回はパテントサロンさんの「知財系 もっと Advent Calendar」の企画に参加させていただくため、初めて4人で共同で記事を書いてみました。
まもなく2020年も終わり、新たに2021年が始まります。既に、来年の目標を立てておられる方もいらっしゃるかと思います。
そう!「来年こそ弁理士試験の勉強を始めよう!」「来年こそ弁理士試験合格だ!」と。
今回は、そんな弁理士試験受験前or受験中の皆さんの背中を押せるようなことを書いていきたいと思います。
※「資格試験」という意味では他士業(弁護士、税理士、司法書士、行政書士など)を目指す皆さんの参考にもなると思います。また、下記の4人の状況を参考に、お目当ての記事だけ読んでいただいてもOKです。
- はじめに:私たち4人の受験から合格時までの状況
- 環境をプラスに考えて利用する【MI】
- 弁理士試験勉強開始までのホップ・ステップ【YO】
- 予備校を使って効率的に!【ma-ta】
- 自分の性分に合わせた勉強法を【KM】
- おわりに
はじめに:私たち4人の受験から合格時までの状況
まず、自己紹介も兼ねて、私たち4人の弁理士試験受験から合格時までの状況をまとめてみました。
近年の弁理士試験の合格者平均年齢のデータからすると、比較的若い時期に合格することができたと思います。
<参考>
合格者の平均年齢は37.8歳(前年度37.6歳)
ちなみに、弁理士登録者の分布状況を見ると更に高齢側にシフトしており、その傾向は年々進んでいます。
<日本弁理士会公表の会員分布状況より>
時点:平均年齢
2012/3/31:49.04歳
2018/3/31:50.67歳
2020/9/30:51.78歳
今、若くて優秀な弁理士は非常に求められています!
環境をプラスに考えて利用する【MI】
私【MI】からは弁理士試験について以下の2点書いてみたいと思います。
家族との関係
私は、弁理士試験の受験を決意後、特許事務所へ転職しました。東証一部上場企業から特許事務所(10人以下)への転職でした。その半年前くらいに結婚していましたが、義父から冗談交じりに「話が違うぞ」と言われました(笑)。このプレッシャーは大きなモチベーションになりました。
また、受験中に子供も生まれました。妻の育休(産後1年)中に合格しないとマズイと焦りました(実際に妻からも「ダメならやめろ」と言われた)が、これも大きなモチベーションになりました。人によると思いますが、こういったプレッシャーの中の方が力を発揮できることがあります。
目からウロコだった勉強法
1度目の受験で短答に合格し、2度目の受験時、論文講座は予備校を変えました(LEC⇒TAC)。環境を変えてモチベーションアップを図ったんですが、そこで「読み上げソフト」を使った勉強法を教えていただきました。これが私には非常にフィットしました。趣味のランニング中や混雑する通勤電車の中でも聞ける(勉強できる)のは大きかったです。
「目」(本を読む等)の勉強よりも「耳」(話を聞く等)の勉強が向いている場合もありますし、両方使うことでより知識が定着します。また「耳」の勉強は、知識を「音」で理解する点で、口述試験の対策にもなると思います。是非一度試していただきたいと思います。
弁理士試験勉強開始までのホップ・ステップ【YO】
就活生&第2新卒者への招待
弁理士は理系出身者が多く、8割近くはそうではないでしょうか。そこで、理系の皆さん、研究職や開発職を目指すのもいいですが、知財業界にも目を向けてみませんか?下記の1つでも当てはまれば、知財はあなたにとって最適の仕事かもしれません。
1.勉強が好き
知財関連の法律は、毎年のように法改正があり、勉強するネタが生まれ続けています。新しいことを常に学びたい人にはとてもいい環境だと思います。また、技術は日進月歩ですから、どの技術分野においても勉強するネタに事欠きません。「勉強が好き」は弁理士には欠かせない適性だと思います。
2.文章を書くのが好き
私の場合、卒論等、研究成果を論文にまとめるときに文章を書くのがとても楽しかったし、やりがいがありました。どのように書いたら第三者に正確に伝わるのか、吟味するのがとても楽しかったです。このような人には、弁理士が向いているのではないかと思います。
3.文章を読むのが好き
研究室に所属した時、最新の研究論文を読んで新しい知識を得ることがとてもおもしろいと思っていました。弁理士も、特許の公報を数多く読みますので、読むことが好きな人は弁理士に向いていると思います。論文や公報に限らず、一般の書籍を読むのが好きなら、同じく適正ありです。
合格者体験記の言葉を理解する
「合格者体験記」には、勉強のスケジュールやコツ等、いわゆる「合格への近道」が記載されています。その中で、私がしばらくの間理解できなかったことがありますので、ご紹介したいと思います。
それは、「論文試験を合格するまでに100通以上、論文試験の問題を解いた。」という記載です。特実意商の過去問を10年分解いても40件、、、どうやったら3桁もの問題を解けるのだろう?と。
結論から言うと、これは、「新しい論文試験の問題をたくさん解く」ことではなく、「同じ問題を繰り返し解く」ことだというのが私の理解です。
初学者の頃は、同じ問題でも、少し期間を開けて解くと、間違える小問が毎回違っていました。知識が全然定着していなかったのです。一方、論文試験合格レベルになる直前には、同じ問題を数週間の間隔を開けて繰り返し解いていました。同じ問題を繰り返し解くことで、自分なりの型が身に付き、不思議といろんな問題に対応できるようになります。私は、これを論文試験合格レベルになるまで理解できませんでした。
予備校を使って効率的に!【ma-ta】
私【ma-ta】からは、以下の2点についてお話したいと思います。
独学はアリ?
結論から言うと、ナシだと思います。
予備校の料金が高すぎたり、通えるところに予備校がなかったりして独学を試みる方もいるかと思います。実際、私の周りにもいました。ただ、合格まで長期化する傾向がありました。合格までに10年近くかかったという人もいましたし、受験期間中に生まれた我が子が合格した年には中学生になっていたという話も聞いたことがあります。
予備校に通うと確かに費用はかかりますが、
① 効率的な勉強法やテクニックを学べる。
② 勉強のペースをつかめる、モチベーションが保ちやすい。
③ 講師に直接質問できる。
④ 試験に関する最新情報が集まっている。
というようなメリットがあります。
なかでも、①が特に重要だと思います。当時私は、論文が大の苦手でしたが、最終合格した年(4年目)に出会ったある講座で一気に成績が伸びました。この時、いかに勉強方法や問題の解き方の『型』が重要であるかを学びました。勉強方法などを模索する期間は短ければ短いほどいいと思います。私は合格までに4年かかりましたが、是非皆さんにはできるだけ遠回りせずに合格して頂きたいと思います!
予備校の先生に教えてもらった弁理士試験の心構え
受験中は家族に色々と迷惑や心配をかけますし、友達付き合いも悪くなり、モヤモヤすることが多いかと思います。私にもそんな時期がありました。そんなとき、ある先生が、
『受験期間中は周りに迷惑をかけると割り切りましょう!受かってから思いっきり恩返しすればいいんです。』
とおっしゃっていました。それを聞いて、私はモヤモヤがはれ、思いっきり迷惑をかけることにしました。そしてその年に最終合格することができました。試験期間中は、勉強に「全集中」しましょう!
また、こんなことをおっしゃる先生もいました。
『受かる人は必要なことを淡々とこなして受かります。途中経過に一喜一憂したり、変に気合を入れたり、神頼みしたり、そんなことはあまり意味がありません。』
確かに、私の周りをみても短期で合格する方はそういう人が多かった印象です。『受かるために必要なこと』を早期に見極めるためにも、やはり予備校は必要だなと思います。
自分の性分に合わせた勉強法を【KM】
私【KM】からは弁理士試験について2点書いてみたいと思います。
家族関係
勉強を開始した頃は独身でした。私は3年間の勉強を経て合格したのですが、3年目の論文試験を受けた直後に彼女の両親に結婚の挨拶をし、その論文試験の合格発表前に来年の秋に結婚式を挙げることを決めました。すなわち、その年に口述試験まで受からないと、次の年は結婚式の準備と弁理士試験の勉強とを並行しなければならないことになっていました。結局その年に受かっていたから良かったものの受かっていなかったら大変なことになっていたと思います。上述のMIさんと同様、ある程度のプレッシャーがあった方が「落ちたら本当にヤバい感」が高まって勉強に身が入ると思います。
受験仲間について
自分は予備校には通っていましたが、あまり受験仲間を作らず口述試験までは基本的に1人で勉強していました。その理由は、(1)やる気のムラがすごくあり、常にやる気がある人と切磋琢磨して勉強するのに自分が向いておらず、(2)マニアックな知識に走りがちの受験生に関わることなく、予備校講師の言っている情報だけを取り入れて出来るだけ省エネで受かりたい、と思っていたからです。正攻法としては、受験仲間を作ることが推奨されると思いますので、あまり参考にされない方がいいかもしれません。
おわりに
最後までお読みいただきありがとうございました!こう見ると4者4様、いろいろな意見があって面白いです。何か1つでも役に立つ情報があったなら幸いです。
今後とも、IP RIPをよろしくお願いいたします!