IP RIP ~チザイの雑談~

知的財産(Intellectual Property)の「かゆいところに手が届く(Reach the Itchy Place)」お話です。

弁理士「私の口述試験体験記」[KM]

先日、令和2年度弁理士試験の論文試験の合格発表がありました。例年とは異なる変則的な試験日程の中、論文試験を突破された方おめでとうございます。いよいよ残すは口述試験!そういえば、以前マータさんが口述試験について以下の記事を挙げられていましたね。

discussiong1.hatenablog.com

 そこで今回は、私KMが数年前に受験した口述試験についてお話させていただきます(数年前の受験体験記であるため、記憶が曖昧&最近の試験状況と異なるところがあるかもしれませんが、その点はご容赦ください。)。

 

1.試験会場到着まで

口述試験の会場は、皆さんご存知(?)のザ・プリンスパークタワー東京。私の日程は、火曜昼に会場へ集合して午後に受験というものでした。当時私は企業の研究員として働きながら会社に内緒で弁理士試験に挑戦しており、その日は予め有休をとっておきました。また、地方在住であったので東京に移動する必要がありましたが、前日入りはせずに当日入りで会場に到着しました。

会場に到着するとホテルのロビーには大勢の受験生が集まっていました。そのとき受付時間の終了まで未だ時間が結構あったことから一旦ホテルの外へ出て、近くの芝公園を散歩して時間を潰すことにしました。大勢の受験生によるピリピリとした空気感は苦手なので、その場所から離れたかったからです(自分も受験生の1人のクセに)。

ホテルのイラスト(小) 

2.受付終了後、待機室に移動

散歩してから受付時間ギリギリに受付を済ませたのち、エレベータで順番に待機室である客室に案内されました。客室の間取りはおそらく以下のようだったと思います(画像はホテルの公式HPの客室一覧より)。ベッドやイスの代わりにパイプ椅子が並べられており、受験生は受付でもらった番号札の順に座らされました。今の時代なら、あの広さの客室にあれだけの人数の受験生を待機させたら確実に密と言われそうな状況でしたね。自分に渡された番号札の番号とパイプ椅子の数から、この待機室で自分の番号はかなり後ろの方であることを悟りました(この待機室で最後から2番目の番号でした)。

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3.待機室に入室してから(前半)

待機室への受験生の移動が完了してから少し経った後、数人ずつ受験生が呼ばれては、試験が行われる客室へと移動していきました。待機室に残っている受験生は、各自呼ばれるまで黙って直前の確認作業をしていました。このとき自分は、受験生が呼ばれていく時間間隔を計りながら、あることに気付きました。「この時間間隔と自分の番号札の番号からして、自分が呼び出されるのは…今から2時間半後くらい?マジか…」このまま緊張の糸を張り詰めながら2時間以上も待機していたら試験に呼ばれる頃には疲れ果ててしまう…そう思った私は開き直って、自分の出番が近づくまでは緊張するのを止めてとことんリラックスすることにしました。目を瞑って試験以外の事をボーっと考えていたと思います。

 

4.待機室に入室してから(後半)

待機していた受験生の数も半分以下になった頃、それまで直前の確認作業もしていなかった私は、「呼び出されるまでそろそろ時間もなくなってきたし確認作業を始めよう。」と思いました。すると、そのタイミングで、隣の受験生(この待機室で最後の番号の受験生)から話しかけられました。確認作業したいんだけどなぁと思いましたが、話しかけられた内容が「待ち時間長くてしんどいですね。」というものであったため、激しく意気投合してしまったのを覚えています。その方はどうも昨年の口述試験に落ちた方だったようで、今年こそは!と意気込んでらっしゃいました。その方もその年に受かっていて、今頃バリバリ弁理士業に邁進されていたらいいなぁと思います。

 

5.試験が行われる客室へ移動、そして試験開始

その後ようやく自分も呼び出されて、金属探知機で身体検査されてから、試験が行われる客室へ移動しました。金属探知機はその年から導入されたらしく、前年に試験中の音声を録音しようと録音機器を持ち込もうとした輩がいたからという話を後から聞きました(真相は知りません)。試験を行う各客室の前に置かれた椅子に受験生は座って待機し、係の人の合図で入室して試験開始となりました。試験本番中の状況については、勉強した内容を必死になって吐き出していたことしか覚えていません…

結果は、「特許」は滞りなく最後まで回答を終えることができましたが、次の「意匠」では回答途中でタイムアップ。後がない「商標」では、途中つまずきながらも最後まで回答を終えることができました。「商標」の最後の回答が終わったとき、試験官の方から「問題はこれで最後なので緊張解いてもらって大丈夫ですよ。」と言われたのはハッキリと覚えています。2/3(特許〇、意匠×、商標〇)は最後まで回答できたので、「あぁこれで受かったな。」と安堵しました。

面接のイラスト「就職活動中の女性」 

6.試験会場を後にして

試験終了後は、試験会場近くの芝公園を散歩しながらたそがれたのち地元に帰りました。帰りの新幹線では、再びたそがれながらビールを飲んで寝落ちたと思います。そして、次の日からはまた、何食わぬ顔でしれっと当時の職場に出社して働いてました。

 

7.まとめ

口述試験後は、「受かっていたとして、その後どうしようかな。」と合格発表まで悶々としながら働いていた気がします。結果的には、合格発表があって間もなく当時働いていた職場を辞めて特許事務所に転職しました。以上が私の合格体験記になります。口述試験まで到達された方、本番までまだ3週間も時間はありますので、最後の追い込み頑張ってくださいね!