IP RIP ~チザイの雑談~

知的財産(Intellectual Property)の「かゆいところに手が届く(Reach the Itchy Place)」お話です。

弁理士「タイムチャージを意識した働き方」[らるご~]

この記事を書いている本日7月3日は、本年度の弁理士試験の論文式筆記試験の日。受験生の方はお疲れ様でした。特許事務所勤務の弁理士らるご~です。

最近自分の働き方を顧みて、実は結構タイムチャージを意識して働いていることに気付きました。そこで今回は、この「タイムチャージを意識した働き方」について書いていきます。

 

タイムチャージとは

ご存じの方も多いと思いますが、タイムチャージとは、【自分の1時間当たりの単価】【その案件を仕上げるために費やした時間】を乗じて算出される報酬額のことです。

例えば、【自分の1時間当たりの単価】が3.5万円/時間で、【その案件を仕上げるために費やした時間】が4時間であった場合には、14万円(=3.5万円/時間×4時間)が弁理士への報酬額としてお客さんに請求されます。私が勤務している特許事務所では、(A)タイムチャージ(時間的要素)で報酬額が決定する案件と、(B)作成した書類の枚数等(量的要素)で報酬額が決定する案件と、があります。

 

(A)タイムチャージ(時間的要素)で報酬額が決定する案件の場合

(A)案件の場合、費やした時間が延びるほど、多くの報酬額をクライアントに請求できますが、いたずらに高額の請求を行えば、クライアントからの信用を落とすことになります。そこで、私の場合は、依頼された案件に本格的に取り掛かる前に、予め費やす時間を見積もることにしています(Ex:これくらいの資料量ならだいたい〇時間)。その理由は、(ある程度までは)費やした時間の長さに比例して仕事の質は向上していきますが、ある程度の時間を超えると、それ以上は自己満足の世界に入っていくと考えているからです(自論です)。つまり、事前の見積もりによって、自己満足の世界に入ることを防止するとともに、見積もり時間内に仕事を終わらせねばという使命感で仕事の効率アップを図るようにしています。ただ、いつも見積もった時間通りに仕事が終わるわけではなく、見積もりの時間より長くなってしまうこともしばしばですが。

 

(B)作成した書類の枚数等(量的要素)で報酬額が決定する案件の場合

(B)案件の場合、量的要素で報酬額が決定されますが、このときも自分の中では、タイムチャージを意識して仕事をするようにしています。具体的には、例えば、量的要素から最終的に30万円程度の報酬額となった案件の場合、その案件を15時間で仕上げていれば【自分の1時間当たりの単価】2万円/時間、10時間で仕上げていれば【自分の1時間当たりの単価】3万円/時間となります。(B)案件に対応する際には、このような時間単価を適宜意識しています。個人的な感覚としては、(A)案件と比べて(B)案件の方が、【自分の1時間当たりの単価】は低くなる傾向にあるため、仕事を仕上げた後の自己評価はその点を考慮するようにはしています。その点を考慮しておかないと「うわ…私の1時間当たりの単価、低すぎ…?」となって凹む場合があるからです。

        口を抑えてショックを受けている女性のイラスト

◆まとめ

以上、「タイムチャージを意識した働き方」でした。【自分の1時間当たりの単価】をあまり意識し過ぎると、ケチな仕事の仕方になりそうではありますが、そうした意識を持つことで、自分の時間の安売り防止や仕事効率の向上につながると考えています。と、こんなことを書いておきながら、自分の場合、上述したように「見積もりの時間より長くなってしまうこともしばしば」のため、これを機に自戒せねばですね。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。