支分権について
みているところです。
前回までに紹介した
裁判例です。
複製権
ワン・レイニー・ナイト・イン・トウキョウ事件
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/243/053243_hanrei.pdf
翻訳・翻案権
江差追分事件
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/267/052267_hanrei.pdf
今回は二次的著作物
に関連する判例を
紹介します。

豆腐屋事件です。
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/859/033859_hanrei.pdf
地裁と控訴審が
ありますが、
控訴審をご紹介します。
控訴人は、亡Aの長男です。
亡Aは、「近世職人尽絵巻」に
収録された「豆腐屋」の浮世絵
を模写して制作をしました。
これが本件原画と
なります。
模写した場合、
著作物性が
あるのか気になり
ますよね。
もちろん、
模写したものは、
二次的著作物に
なります。
二次的著作物について
著作権法に定義が
あります。
十一
二次的著作物 著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案することにより創作した著作物をいう。
ちなみに、
被控訴人が製造販売した
豆腐のパッケージに
本件原画が印刷されて
いました。
原画はこちらを参照
ください。
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/031/033031_option1.pdf
まず、著作物性が
争われています。
絵画における模写とは,一般に,原画に依拠し,原画における創作的表現を再現する行為,又は,再現したものを意味するものをいうから,模写作品が単に原画に付与された創作的表現を再現しただけのものであって,新たな創作的表現が付与されたものと認められない場合には,原画の複製物として著作物性がないものといわざるを得ない。
と判示しています。
やはり重要なのは
創作的表現があるか
どうかです。
原画を模写している
のですから、
当然に、何らかの変更
があるはずです。
原作品からの変更箇所があった場合、
- 変更箇所に創作的表現が含まれていなければ複製
- 変更箇所に創作的表現が含まれていれば翻案等
創作的表現の有無で
複製になるか、
翻案になるか、
分かれました。
模写行為の制作過程において発揮された模写制作者自身の自主的な個性,好み,洞察力,技量が制作者の「精神的創作」行為と評価されるものであるとしても,その結果としての模写作品に新たな創作的表現が付与されたと認めることができなければ,著作物性を有するということはできない。
模写制作者自身の
- 自主的な個性
- 好み
- 洞察力
- 技量
を評価すべきと
控訴人は主張した
ようです。
ですが、そこには
創作的表現が
無かったようですね。
控訴審は、原審を
支持しています。
特に、原審には、
技量に関する記載が
あるようです。
原判決は,「原画と模写作品との間に表現上の実質的同一性が存在する場合」において,「模写行為自体に高度な描画的技法が採用されていたとしても」に続き,「それらはいずれもその結果として原画の創作的表現を再現するためのものであるにすぎず,模写制作者の個性がその模写作品に表現されているものではない。」と 説示
とあります。
高度な描画的技法
が用いられている
としても、
どのような
創作的表現に
なっているのかを
示せなかったので、
創作的表現がない
として、著作物性も
否定されている
のですね。
まとめに代えて本日の痒い所
- 模写であっても著作物性が認められるには創作的表現が必要
- 模写制作者自身の自主的な個性,好み,洞察力,技量では、創作性は認められない
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今週も知財の雑談を楽しみましょう♪
模写について、どうしたら創作性を発揮できるか?個別の事案ごとに検討してみるのはいかがでしょうか?

★★IP RIPは、Yuroocleさんに参加させて頂いております★★