IP RIP ~チザイの雑談~

知的財産(Intellectual Property)の「かゆいところに手が届く(Reach the Itchy Place)」お話です。

弁理士「口述試験に向けて2022」【MI】

こんにちは。MIです。

本日(9/26)、令和4年度弁理士試験の論文式筆記試験の合格発表がありました。合格された方おめでとうございます!

多くの方はこの後「口述試験」を受験されて、晴れて最終合格!となられるかと思います。そのために「口述模擬試験」の受験をご検討中の方も多いかと思います。昨年に引き続き、某所で口述模擬試験に関わることになりましたので、予習を兼ねて、最近の弁理士試験の傾向や口述模擬試験の情報をまとめてみました。ご参考になれば幸いです。

 

 

近年の傾向

昨年(R3年)度も口述試験の合格率は90%を超えており、高い水準にはあるかと思います。しかし、近年(少なくともH29~R2まで)続いてきた最終合格者数の増加と合格率の上昇傾向には歯止めが掛かった形となっています。

特許庁HPのデータより計算。合格率は受験者数(≠志願者数)ベース。

出典:令和3年度弁理士試験の結果について | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)

本年(R4年)度も、論文試験合格者数は志願者数の減少(10%弱減)に対して更に下がっており(15%程度減)、試験自体の厳しさが増している印象を受けます。本年度の口述試験、決して油断はできません。

 

口述試験の問題テーマ

H29~R3年度に出題された口述試験の問題テーマは以下の通りです。

昨年感じた「最近は基本的なテーマが多い」との印象から打って変わって、昨年はちょっとマニアックなテーマ(特許「補償金請求権」、商標「マドプロ関連」)や、範囲の広いテーマ(意匠「新規性+関連+・・・等」、商標「商標権全般」)が聞かれています。模擬試験の問題を検討するに当たっては難しいところですが、難易度は難しめ&近年聞かれていないテーマの問題も準備したいと思っています。

 

「対面」か「オンライン」か?

コロナ禍の状況が見通せない中、口述模擬試験も「対面形式」と「オンライン形式」との間で対応が分かれています。

<予備校系>

口述模擬試験 - 弁理士 学習経験者|LEC東京リーガルマインド (lec-jp.com)

⇒対面orオンライン

口述模試 | 弁理士 |資格の学校TAC[タック] (tac-school.co.jp)

⇒対面

<会派系>

令和4年度 PA会口述模擬試験 開催のお知らせ | PA会ホームページ (pa-kai.net)

⇒オンライン

★★春秋会口述試験練習会のご案内★★ – 弁理士春秋会 (shunju.gr.jp)

⇒対面(本試験と同じ会場!)

(2022/10/17)令和4年度 口述試験練習会のご案内|南甲弁理士クラブ (nankoh.gr.jp)

⇒オンライン

令和4年度 弁理士試験 口述模擬試験について(令和4年9月26日更新) - 南甲弁理士クラブ東海支部 (jimdofree.com)

⇒対面

個人的には、口述試験に慣れるためには試験官からのプレッシャーを直接感じられる「対面形式」がオススメですが、以下にも書くように、「オンライン形式」も上手く利用して複数のパターンを経験しておくといいと思います。

 

口述模擬試験を受けるにあたって

口述模擬試験を受けるにあたっての普遍的なアドバイスです。

まず、いろんな状況&試験官に慣れることが大切です。是非、複数の模擬試験を受験してみてください。どんな状況&試験官でも実力を発揮できるようにするためです。模擬試験によっては、試験官がイヤな(相性が合わない)人である場合もあります。それでも本番であれば何とか相手をしなくてはいけません。そのための修行です。

また、複数の模擬試験を受けると問題が被ることもあるかと思います。そんなときは遠慮なく「違う問題をお願い」していいと思います(もちろん復習がてら同じテーマの問題でもいいと思います)。おそらく、試験官は複数の問題を準備していると思います。少なくとも私は、試験官としては受験生の皆さんの役に立ちたいと思っていますので、希望があれば伝えていただけるとありがたいです。

おわりに

口述試験を受験される皆さん、あと少しです!数字を見ると怯んでしまうところもありますが、ここまできたらなんとか乗り切っていただき、最終合格されることをお祈りしています!

本日も最後までお読みいただきありがとうございました!

 

 

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特許「記載ミスの無い書類作成を目指して」[らるご~]

特許事務所勤務の弁理士らるご~です。事務所勤務の弁理士の業務は、ほとんど書類の作成業務です。この作成した書類において、内容が論理的であったり読みやすかったりすることは当然大事なのですが、それ以前に満たすべき品質として、「記載ミスが(限りなく少)ない」ことが挙げられます。

今回は、そのような記載ミスについてボチボチ書いていきます。

 

1.そもそも記載ミスとは

この記事で私が「記載ミス」と呼んでいるミスとは、例えば、

・文章中の誤記(誤字脱字、句読点記載漏れ等)

・書類の整理番号や日付の数字間違い

等のことです。言い換えれば、「記載ミス」とは、「本質的な内容に関わるミスほど致命的ではない軽微なミス」とも言えます。ここで、軽微なミスと言ってはいますが、そのような記載ミスが書類内に散見されると、その書類の内容自体に対する信頼性が損なわれます。また、お客さん(主に知財部担当者)に送る書類に毎度記載ミスがあれば、たとえ書類ごとの記載ミスの数が少なかったとしても、そんな書類を毎度送ってくる特許事務所の印象がどんどん悪くなっていくのは火を見るよりも明らかです。そのため、記載ミスは(限りなく少)ないに越したことはありません。

 

2.記載ミスを無くすためには

記載ミスを無くすためには、書類作成者が書類作成後に時間を置いて再チェックすることや、書類作成した本人以外の人間が客観的にチェックすることが挙げられます。またこれらチェックを実行する際には、発生しやすい記載ミスのチェックリストを予め作成しておき、そのチェックリストに沿って記載ミスが無いかチェックする方法が、ほとんどの特許事務所で採用されていると思います。また、書類をマクロのチェックにかける場合もありますね。

 

3.記載ミスと弁理士に対する評判

私のこれまでの経験上、記載ミスが多い弁理士さんはいつまで経っても記載ミスが多いままで、それが原因でお客さんや特許事務所内での評判はイマイチです。このようにいつまでも記載ミスが減らないのは、本人の能力不足というよりかは、不注意によるところ、もしくは、自己過信によるところが大きいと思います。翻って私らるご~はどうなのかと言いますと、記載ミスなんてほとんどしませんよ?とは言えませんが、これまで同僚の方からは、何回か「比較的記載ミスが少ない方だよね」とのお声をいただいていることから、そのように自分にとって都合のいいお声は信じることにしています(「比較的」の解釈が争点になりそうですが)。私自身、重たい内容の書類を完成させたとき、その書類を再チェックするのはしんどいし、早くお客さんに送ってしまいたい!と思うことはよくあります。しかし、だいたいそういう書類に限って再チェックしてみると、記載ミスが散見されます。そのため、どのような書類であっても自分は必ず再チェックするようにしています(大半の弁理士さんにとっては当たり前ですよね)。

             書類を見て焦る会社員のイラスト(男性)

4.記載ミスと書類の内容との関係

個人的には、記載ミスが多い書類は内容もよろしくないものが多いというのが自論です。記載ミスは多いけど書類の内容は素晴らしいという例を、私はあまり見たことがありません。そもそも記載ミスが多い時点で、その読み手に対する信頼性が損なわれていることから、書類の内容の良し悪しをニュートラルな気持ちで判断できていないのだと思います。

 

5.まとめ

以上、記載ミスについてボチボチ書きました。毎度必ず再チェックしていますと威勢よく言ったものの、それでも実際には事務の方からたびたび記載ミスを指摘されているのが現状です…(この記事にも誤字等ないか心配しています)。なので、いつも記載ミスを発見してくださる事務の方には頭が上がりません。そんな事務の方にいつか頭が上げられるよう(?)本記事のタイトルにあるように、記載ミスの無い書類作成を今後も目指していきます。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました!

 

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「特許出願数の推移~伸びている分野、減少している分野~」【マータ】

みなさま、こんにちは。マータと申します。

f:id:discussiong1:20211012012531p:plain マータ(博士/弁理士) (@b8L18UnY7nPd5NC) / Twitter

 

先日のらるご~さんの記事にも書かれていましたが、日本の特許出願件数は年々減少傾向にありますね。

discussiong1.hatenablog.com

 

特許行政年次報告書2022年版

https://www.jpo.go.jp/resources/report/nenji/2022/document/index/0100.pdf

 

このデータを見ていて、「全体的に減っているけど、技術分野ごとの出願数の推移はどうなんだろう?」と疑問に思いました。そこで、「特許行政年次報告書」の分野別統計表を見てみました。データが膨大なので表の一部を下記に示します。このように各技術分野について年ごとの出願件数がまとめられています。

 

特許行政年次報告書 分類別統計表より一部抜粋

https://www.jpo.go.jp/resources/report/nenji/2022/document/index/020205.pdf

 

表だと少し分かりにくかったので、2011年の出願数を1として相対値をとってグラフにしてみました(今回は、2011年の時点で出願数が100件以下の分野は除外しました)。

 

まず、Aセクション: 生活必需品については次の通りでした。

このセクションにおいては、A24のたばこ関係の出願が急増していることが分かりました。2011年から比較して2020年では7倍程度に増えてます。出願数自体は2020年の時点で975件なので数としてはまだまだ多くないですが、今後もこのまま増えていくのかどうか注目したいです。

 

続いて、Bセクション 処理操作;運輸について。

目立った傾向を示す分野はないように感じましたが、強いていえばB64が増加しているようでした(2020年はちょっと減少していますが)

 

Cセクション: 化学;冶金について。

どちらかというと、減少傾向を示す分野が多かったですが、C12は徐々に増加しているように見えます。

 

Dセクション: 繊維;紙について。

目立った傾向を示す分野はないように感じました。

 

Eセクション: 固定構造物について。

E06が2011年から2014年までに増加していますが、その後横這いです。
その他には、特に目立った傾向を示す分野はないように感じました。

 

Fセクション: 機械工学:照明;加熱;武器;爆破について

どちらかというと減少傾向にある分野が多いように感じます。

 

Gセクション: 物理学について。

増加傾向の分野としてはG08などがありました。一方で、G11については2割程度まで激減していますね。何がおこったのでしょうか。。

 

Hセクション: 電気について

全体的に減少傾向に見えます。

 

 

まとめ
日本の特許出願は毎年減少していると言われますが、分野別に見ると様々ですね。特に、A24のたばこ関係の出願が増えてきているのが興味深かったです。もう少し細かい分類まで調べるともっと色々分かるかも知れません。今後の動向に注目したいと思います。

 

今回は、色々な技術分野について出願件数の増減を調べてみました。一方で、各分野について増減が起こった原因についての考察まではできていません。私のデータの見方について間違った点などかあればご指摘頂けると嬉しいです。最後までお読み頂きありがとうございました!!

 

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特許『発明の説明をするための題材』[リッキー]

発明の説明をするのに良いサンプルはないかな?なんて考えながら身の回りのものを見ていますが、最近、自分の中では良いサンプルを見つけたのでシェアさせていただきたいなと思いました。個人的にはいい発明だなと思いました。

 

お急ぎの方は、下の方をお読みください。順に、よくある箱の説明から始めています。

 

箱の筐体と蓋だと、蓋はこんな感じのものが多いかなと思います。

開けやすいというメリットがありつつも閉めたつもりでも開きやすいというデメリットもあるかなと思います。



勝手な想像ですが、この閉めたつもりでも開きやすいというデメリットを改良したのがこちらの箱かなと思います。



うまく文言で表現できているかわかりませんが、蓋には穴があり、筐体にはこの穴に一部が収まる帯状の部分があります。蓋を閉めたあとさらに、帯状の部分を蓋の穴に入れると、この閉めたつもりでも開きやすいというデメリットを解消をできますね。

 

しかし、でもこのような箱には問題があるかなと思います。みなさんも思い当たる節はありませんでしょうか。

 

蓋が開きにくくなったので、今度は蓋が開けにくいのですよね。

 

では、どのように今度は蓋を開けにくいという問題を解消すべきでしょうか。今回は、その答えともいうべき箱を見つけたのでシェアしたいと思った次第です。

 

では、その回答は・・・とその前に。他の解決手段もあるかなと思います。例えば、これですね。



突起にマグネットがあり、鉄片にある穴が突起に引っかかることでロック状態となり、鉄片にある穴が突起から離れるとロック解除状態となります。

 

これだと、ロック解除状態では蓋を開けやすいですし、ロック状態では蓋が開きにくいです。蓋が開きにくい、蓋が閉まりにくいといった問題からは離れることができますね。ただし、マグネットや鉄片を使うので材料費が高く付きます。

 

箱の一部をマグネットや鉄片にして、他の部分をダンボールにするなど工夫することで材料費をいくらか抑えられると思いますが、やはり、ダンボールだけで構成される箱には材料費の面で勝ることはできません。

 

話を戻しましょう。ダンボールから構成される箱で、蓋を開けにくいという問題をどう解消すべきでしょうか。その解決手段の一つがこれではないでしょうか。



帯状の部分に一部が切込みがあり、切り落とされていない部分を回動中心振れる振り子部分がある。振り子部分は帯状部分から飛び出ているので、指でつまみやすくなっています。このため、蓋の穴から帯状部分を外しやすくなります。

 

この振り子部分がないと本当に開けるのに苦労するのですよね。終いには、蓋の穴を指でこじ開けてしまうので、蓋の穴を一端として蓋の一部を破いてしまいます。このようなことも防止できますね。

 

振り子部分があることで蓋を開けにくいという問題を解消でき、蓋の一部を破いてしまうことももうなくなります。ただ、ここで新しい問題が発生します。

 

この振り子部分は、帯状の部分にしっかり収まることがないので、一度使うと飛び出たままで見た目が悪いのです。どうしたらこの見た目の悪さを解消できるでしょうか。



問題解決を続けていると、あるところで最初の問題を解決できます。今回の場合では、振り子部分を設けたことにより、開けにくいとの問題を解決しました。ところが、問題が変質して、見た目の悪さが問題になりました。実務をやっていると、課題を解決すると次の課題が生まれ、課題の解決を繰り返していると課題が変質することも経験します。

 

新人のときは他の例で発明の特定の仕方、提案書の書き方を習いました。そのあと、私が教える立場になったらどのような例を用いて説明しようかと考えることが幾度とありました。今回はたまたま、よいサンプルに出会うことができました。

 

講習会を開催すると、新人のきに受講した講習会よりも長時間になりそうです。どこかで、このサンプルを使えるときが来たらいいなと思います。

 

まとめ

 

発明の説明をするのに良いサンプルはないかな?なんて考えながら身の回りのものを見ていて、最近、自分の中では良いサンプルを見つけたのでシェアさせていただきました。参考になったら嬉しいです。

 

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リッキー

 

商標「オンライン出願サービスを使ってみた ~使う際のアドバイス~」【MI】

こんにちは。MIです。

お盆休みいかがお過ごしでしたでしょうか?私も家族と楽しく過ごしましたが、お休み最終盤に体調を崩してしまい、復帰が少し遅れてしまいました。。。まだ暑い日が続くようなので、皆さんもご自愛ください。

さて、今回は、以前より興味があった「Toreru」さんや「Cotobox」さんといった「商標のオンライン出願サービス(以下、商標出願サービス)」を使う機会がありましたので、それに関する記事を書いてみたいと思います。お付き合いのほど、よろしくお願いいたします!

 

 

商標出願サービスを使った感想

 商標出願サービスを使ってみた感想は「ある程度知識があれば、とても簡単&安価に商標出願ができる!」ということです。クレジットカード決済もできるので、初めての取引や単発の出願でも便利です。商標出願サービスは既存の弁理士の仕事を奪うという意見もあり、確かに、その一面はあるかと思いますが、もうこれはしょうがないと思いました。むしろ、出願商標や指定商品・役務がある程度決まっているなら、こちらから利用をお勧めしてもいいくらいです。

 商標出願が全て商標出願サービスで済むようになってしまうと恐いですが、、、一定数、出願商標や指定商品・役務の選択が難しいものや、中間対応が心配なお客さんは既存の事務所経由の出願を継続するんじゃないかなと思っています。

 

商標出願の動向と商標出願サービスの利用

 先日公開された「特許行政年次報告書 2022 年版」によれば、2021年の商標の出願件数・登録件数は2020年比で増加しています。

特許行政年次報告書2022年版 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)

 このような動向の背景には、ECサイトが模倣品の排除等を目的として商標権の取得を推奨していることもあるかと思います。

(例えば、Amazonでは、「Amazonブランド登録」の資格要件として「ブランドには、文字または図形の有効な商標(登録保留中または登録済み)が必要」とした上で、「Amazonブランド登録の対象となるには、ブランドに登録を希望する国ごとの有効な登録商標が必要」としています。)

 既存の商品&既存の商標でAmazonに出店し、上記「ブランド登録」を受けるために商標登録を目指す場合、商標出願サービスの利用を検討してもいいかもしれません。

 

出願商標を決める際のポイント

 出願する商標(マーク)は、使用する商標をそのまま出願するのが望ましいです。例えば、商標制度には「標準文字」での登録制度があり、ロゴよりも標準文字の方が権利範囲が広いという話もありますが、必ずしもそうではありません。むしろ、下記の図をご覧いただき、商標権の専用権の範囲は商標および指定商品・役務が同一の範囲に限られることを理解していただきたいと思います。

商標権の効力 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)

 

指定商品・役務は事業範囲をカバーして!

 商標権は「商標(マーク)+指定商品・役務」で権利範囲が決まるため、「指定商品・役務」の指定は非常に重要です。極端な話、マークが全く同じでも指定商品・役務が全く違えば商標権の効力が及ばず、また、後願商標が登録される可能性があります。

初めてだったらここを読む~商標出願のいろは~ | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)

 指定商品・役務の指定ミスは、事業内容の変更や拡大・縮小があった場合や、担当者が変わった場合(前任者の誤解があった場合)によく起こります。特許庁の「類似商品・役務審査基準」やJ-Platpatの「商品・役務名検索」を参考に、しっかり検討してください。

特許庁の「類似商品・役務審査基準」

類似商品・役務審査基準〔国際分類第11-2021版対応〕 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)

J-Platpatの「商品・役務名検索」

商品・役務名検索|J-PlatPat [JPP] (inpit.go.jp)

 また、裏技(というほどでもないですが)としては、同じような業務をしている競合他社の商標登録内容を参考にしてみることです。事務所経由の出願ではまず競合について聞かれると思いますが、自身で指定商品・役務を検討する際は、知っておくといいと思います。

 

おわりに

 今回、商標出願サービスを使う機会があったのは、既存のお客さんからの相談からでした。結果、既存のお客さんは商標出願は当該サービスを利用することになったんですが、それを通じていろいろ考えることがありました。願わくば、そういったサービスを通じて商標出願の裾野が広がるとともに、事務所弁理士として必要なアドバイスをできるように準備していきたいと思います。

 本日もお読みいただき、ありがとうございました!

 

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特許「特許行政年次報告書(気になった部分を少しだけ)」[らるご~]

特許事務所勤務のらるご~です。お盆前に少しだけ仕事の波が到来していたのですが、粛々とこなして今週末は穏やかな気持ちで過ごしています。

さて先月末に2022年版の「特許行政年次報告書」が公表されましたね。

本日は、その中でも気になった部分について少しだけ考えたことを書いていきます。

 

1.特許出願件数の減少

      

特許出願件数が減少していることは、この業界で働く多くの方がご存知かとは思いますが、今年は昨年とほぼ同じ程度の件数に留まったようです。このまま下げ止まって、ここからは特許出願件数の上昇に期待!と言いたいところですが、人口減少中の日本では、そんな淡い期待を持たない方が良さそうですね。

 

2.特許権の現存率

      

恥ずかしながら、これまで「特許権が設定登録されてからどの程度存続されているのか(特許権の現存率)」について、あまり深く考えたことはなかったので、そんな自分にとって、このグラフは有益な情報でした。ざっくり解釈すれば、「10年間存続される特許権は約50%」「設定登録年数が長くなるほど特許権の現存率は低下する(当然)」と言ったところでしょうか。このグラフは、業界を区別せずに全特許権の存続期間に基づいて作成したグラフでしょうから、業界別で同様のグラフを作成すれば、特許権の存続期間が比較的長い業界と比較的短い業界が明らかになるんでしょうね。

3.特許出願件数と総R&D費の関係

続いて、このグラフでは、近年の特許出願件数の減少に反して、「総R&D費」は増加していることを不思議に感じました。総R&D費が増える→研究開発が盛ん→特許出願件数が増加、とはならないんですね。その原因としては、(1)研究開発の単位費用あたりに発掘される発明の数が減少している(技術の高度化?)、(2)昔より研究開発が盛んでも出願する発明は厳選している、のいずれかなのかと勝手に想像しました。

 

4.知的財産に投入される資本

  

最後に上記2つのグラフが気になりました。近年の特許出願件数は年々減少している傾向にあるにも関わらず、これらグラフによれば、知的財産に投入される資本(知的財産担当者&知的財産活動費)は年々減少してはいません(特に2017年~2018年で急激に上昇)。つまり、知財に対する企業のマインドは低下していないように思われます。特に、2017年~2018年の両グラフの数値の急激な上昇(知的財産担当者数は約25%上昇)について、この1年間には一体何かあったのでしょうか。誰か教えてください笑。

 

5.まとめ

以上、特許行政年次報告書の中で気になった部分を少しだけ考えてみました。同報告書では、今回紹介した情報の他にも沢山の情報が載っていて面白いのですが、個人的には、それら情報の各々に解説や一言コメントが併記されていると嬉しいです。しかし、そうした記載を望むのは無茶なお願いですよね…(情報の解釈の仕方は人それぞれですし)。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました!

 

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「たまにはゆっくり映画鑑賞を ~ファスト映画について考える~」【マータ】

みなさま、こんにちは。マータと申します。

f:id:discussiong1:20211012012531p:plain マータ(博士/弁理士) (@b8L18UnY7nPd5NC) / Twitter

 

皆さんは、ドラマはお好きですか?

最近、『石子と羽男』というドラマが話題ですね。

www.tbs.co.jp

 

本作は、有村架純さんと中村倫也さんがダブル主演を務めるリーガルドラマです。第三話のタイトルは、「著作権法違反」。「ファスト映画」がテーマです。

news.yahoo.co.jp


私は、普段ドラマは見ないのですが、今回は内容的にとても興味があったので見てみました。有村架純さんや中村倫也さんを始めとするキャストのキャラクターが非常に魅力的で、内容もとても面白かったです。

 

ファスト映画を作った被告人の主張、被害を受けた映画監督の重い言葉などなど、なかなかリアルに描かれていました。本当は、もっと本作のことを色々と語りたいのですが、書いているうちに『これはネタバレになるのでは?』という気持ちになり、書くのをやめました。線引きが難しいですよね。

 

さて、第三話のテーマであるファスト映画ですが、近年大きな問題になっていますね。

これまでに、違法なファスト映画を作成し、著作権法違反の罪で有罪が確定した男女3人に対して、およそ5億円の損害賠償を求める訴えが起こされています。

www3.nhk.or.jp

こうしたニュースが大々的に報じられることにより、ファスト映画は違法なものだという認識が浸透しつつあり、その数は昨年に比べて9%ほどに減少したそうです。しかしながら、依然180本程のファスト映画がYouTubeに投稿されているそうです。

www3.nhk.or.jp

これらのファスト映画は、違法であり許されることではないですが、根底には『世の中にあふれる膨大なコンテンツを効率よく消費したい』という現代人の願望があると思います。いまや、コンテンツは鑑賞されるものではなく、消費されるものになっているようです。 

 

かくいう私も動画の倍速視聴は普通に使いますし、コンテンツを効率的に消費したい心情はとてもよく分かります。

 

ただ、少し前に、本当に久しぶりに映画をゆっくり鑑賞した時があって、その時に忘れていた感情を思い出しました。映画を見た後の『清々しい感じ』『自分を変えようと思う感じ』『ポジティブな気持ち』『人にやさしくしようという気持ち』など、いい映画は人の心を揺さぶり、人生を豊かにしてくれるということを久しぶりに思い出しました。

 

これは、10分にまとめられた簡易版の動画では得られることのない感情だと思います。また、本作を観る前に、内容をファスト映画などで知ってしまっていたら、この感情は大きく減少していたことと思います。

 

忙しい毎日ですが、たまには無理やりにでも時間をつくって、ゆっくりと映画を鑑賞する時間を作りたいものです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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