みなさんは「LABUBU(ラブブ)」というキャラクターをご存知でしょうか?
独特のエルフのような耳と、ギザギザの歯が特徴的な、今世界中で爆発的な人気を誇るアートトイのキャラクターです。
旅行に出かけると、子どもとお土産屋さんやキャラクターグッズの店に迷い込みます。なかなかに、尖っているなと思っていました。
調べてみると、LABUBUを作成したのはアーティストのカシング・ロン(Kasing Lung)氏。ただ可愛いだけでなく、不敵な笑みを浮かべた「いたずら好きな妖精」という設定が、「ひとクセあっておしゃれ」と若者の心を掴みました。若者でなくても、心つかまれましたけどね。
ブームを決定づけた火付け役が、BLACKPINKのメンバー・リサ(LISA)さんです。彼女がSNSでLABUBUのぬいぐるみを抱く写真をアップしたり、バッグチャームとして愛用する姿が拡散されたことで、アジア圏を中心に世界中で一気に争奪戦が始まったようです。

J-PlatPatで「LABUBU」を調べてみたら……
そんな超人気キャラクターですが、日本の特許庁の商標検索サービス「J-PlatPat」で「LABUBU」という文字列を検索してみると、ある1つの出願がヒットします。
その出願人はキャラクターの公式運営元ではなく「万和薬品株式会社」という企業です。登記情報や公開されている情報を確認すると、主に化粧品やサプリメントの製造・販売を行っている企業のようです。
万和薬品株式会社 | 東京都台東区 | 法人番号:9011101069452 の詳細 - 法人.info
一見すると、エンタメやキャラクタービジネスとは毛色が異なる業種に見えます。「流行りに乗った便乗出願なのでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、既に15を超える登録商標を所有しており、商標登録出願に関して相当の知見や知識がある企業と思われますが、外部からその真意を測ることはできません。
拒絶理由通知の内容(4条1項15号)
特許庁は、この商標出願に対して、2026年2月27日、特許庁は「拒絶理由通知」を発送しました。
拒絶の根拠となったのは、商標法第4条1項15号です。これは簡単に言うと、「他人の有名な業務に係る商品やサービスと混同を生じるおそれがある商標」は登録できないという規定です。
先ほどご紹介した通り、LABUBUは世界的セレブの発信などをきっかけに、すでに誰の目にも明らかな「超有名キャラクター」となっています。そのため特許庁は、「万和薬品がこれを登録すると、消費者が公式グッズや関連商品だと勘違いして混乱してしまう」と判断したことになります。
弁理士から見た「本人出願」のリスク
この出願の詳細データを見てみると、「弁理士などの代理人を立てず、会社が自ら手続きを行った可能性が極めて高い(本人出願)」という点です。
「混同のリスク」を見落としがち
自社で出願(本人出願)をされる場合、多くの方は「同じジャンル(区分)に、全く同じ名前の先願(先に登録された商標)があるかどうか」だけをチェックしがちです。しかし、今回の拒絶理由である「4条1項15号(混同を生じるおそれ)」のような、世間で話題になっている有名ブランドとのバッティングというリスクは、専門知識がないとなかなか事前に気づくことができません。
弁理士が代理人に入っていれば……
もし出願前に弁理士が相談を受けていれば、J-PlatPatのデータだけでなく、世の中のトレンドや有名キャラクターの存在を総合的に考慮し、先回りのアドバイスや、別の選択肢の提案ができた可能性が高いと思います。
あと、商品役務の指定も、「25類」の「被服,履物及び運動用特殊靴,帽子,ベルト,ズボンつり,えり巻き,靴合わせくぎ,靴くぎ,靴びょう,靴保護金具」となっているので、薬品やサプリメントとの関係がよくわからないです。数字を間違えたのでしょうか。
「他人のヒットに便乗した出願だ」と一括りに決めつけるのは簡単ですが、この商品役務の指定からすると、アンバランスさがひっかかります。
まとめに代えて本日の痒いところ
- 人気キャラクター「LABUBU」の尖った設定は、若者だけでなく、おじさんにも刺さります
- 商標を出願する際は、事前にリスクを正しく評価できるよう、まずは知財の専門家である弁理士に相談してから進めるのが一番安心です
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今週も知財の雑談を楽しみましょう♪
ラブブはお好きですか?











