IP RIP ~チザイの雑談~

知的財産(Intellectual Property)の「かゆいところに手が届く(Reach the Itchy Place)」お話です。

商標の雑談『香川県の郷土料理・ご当地グルメと商標』[リッキー]

 

 

今回は、香川県です。

早速、調査を開始しましょう!!

 

特許情報プラットフォーム|J-PlatPat [JPP] (inpit.go.jp)

 

いもたこ

いもたこのイメージ



「いもたこ」は、瀬戸内海でとれる新鮮なタコと里芋を煮付けたシンプルな郷土料理で、海と里の幸を組み合わせた特徴ある一品。

使われるタコは、手長ダコが一般的であるが、瀬戸内海では、マダコやイイダコなど数種類のタコが年間を通じてとれる。貝類に加え、エビやカニなどの栄養豊富なえさで成長するため、瀬戸内海のタコは、甘く風味が強いといわれている。また、たんぱく質やビタミン、タウリンがバランスよく含まれることから疲労回復に効果があり、昔から定番の食材として親しまれてきた。

里芋は、県内でも多く栽培されており、蒸した里芋は、かつて子どものおやつとしても重宝していた。田んぼの片隅にも植えていたことから「田いも」とも呼ばれる。さつまいもやじゃがいもとは異なり、親芋から数が増えるため、子孫繁栄の象徴として祭りや正月などハレの日のごちそうに用いられてきた。

 

いもたこ 香川県 | うちの郷土料理:農林水産省 (maff.go.jp)

 

J-PlatPatで検索すると、

4件ヒット!

 

しかし、「いもたこ」だけの標章

でなく、「いもたこなんきん」

という標章で登録されています。

 

権利者は、

株式会社平八亭と、

白ハト食品工業株式会社

です。

 

株式会社平八亭は、2件の商標を

所有していますが、

 

2023年4月7日に倒産したようです。

https://n-seikei.jp/2023/04/post-90389.html

 

2件の商標権は、

令和10(2028)年 6月 24日

令和8(2026)年 6月 28日

と存続期間がまだ満了していません。

 

この後、移転されるのかなど、

気にかかります。

 


第4953311号

 

平成17(2005)年 8月 22日に出願され、

平成18(2006)年 5月 19日に登録。

 

標章は「いもたこなんきん」

指定商品は、菓子及びパン等

 

瀬戸内海でとれる新鮮なタコと

里芋を煮付けたシンプルな郷土料理から、

菓子及びパン等をイメージするのは

難しいと思われ、

通名称とはいえなさそうです。

 

文字だけであっても、識別力が

ありますね。

 

第5040371号

 

平成18(2006)年 6月 19日に出願され、

平成19(2007)年 4月 13日に登録。

こちらも標章は「いもたこなんきん」

指定商品は、

果実飲料(トマトジュ-スを除く。)等

 

こちらも瀬戸内海でとれる新鮮なタコと

里芋を煮付けたシンプルな郷土料理から、

果実飲料(トマトジュ-スを除く。)等

をイメージできませんね。

 

識別力ありと判断されるのも妥当と思います。

 

ぴっぴ飯

ぴっぴ飯のイメージ



「ぴっぴ」とは香川で今も使われているうどんの幼児語。ご飯に刻んだうどんやたくあんを混ぜて炒めた焼き飯風の家庭料理が「さかいでぴっぴ飯」です。「坂出の家庭で、あり合わせの食材で作っていた懐かしの味」を再現。そもそも坂出市製麺所が多く、昭和の時代、たくさん買ってきたうどん玉が残ったときに、冷蔵庫の余り物とご飯を加えてこういったメニューがよく作られていたのが発祥の理由です。

必食!B級グルメ|グルメ|グルメ|香川県観光協会公式サイト - うどん県旅ネット (my-kagawa.jp)

 

J-PlatPatで検索すると、

ヒットしません・・・。

 

「ぴっぴ飯」は、

「ぴっぴ」「飯」の造語と思われます。

 

「ぴっぴ」は識別力のありそうな文字

に見えましたので、「ぴっぴ」を

J-PlatPatで検索すると、19件ヒット!

 

ちょっと多い・・・。

 

四国にゆかりのありそうな商標を

探してみました。

 

第4871779号

 

平成16(2004)年 11月 22日に出願され、

平成17(2005)年 6月 17日に登録。

 

標章は、「揚げぴっぴ」

指定商品は、うどんを揚げた菓子

 

権利者は、四国キヨスク株式会社です。

 

「揚げぴっぴ」は、さぬきうどんの麺を

油で揚げた人気のお土産スナック菓子

だそうです。

https://www.asahi.com/articles/ASQ5N76G8Q5FPTLC006.html

 

しっかりと、商標権で保護されていそうです。

 

まとめに代えて本日の痒い所

 

  • 「いもたこなんきん」に係る商標権が4件あった。

 

  • 「ぴっぴ飯」は商標登録されていないが、「揚げぴっぴ」は、商標登録されている。

 

  • 「揚げぴっぴ」は、さぬきうどんの麺を油で揚げた人気のお土産スナック菓子

 

 

編集後記

 

「もっそうめし」の説明の中に、

三豊市の文字が見えます。

 

「もっそうめし」と「肉もっそ」は、

同じなのでしょうか??

 

もっそうめし

 

「もっそうめし」とは、握ったごはんを指す。丸や扇などの木型に、すし飯や五目飯を詰めて押し抜いたごはんを「物相飯」と呼び、もともとは修行僧が集団生活を送りながら暮らしていくときに、一膳のごはんで全てを済ませる時の精進料理が起源とされている。
香川県では西讃地域を中心に、県内各地で五穀豊穣や海上安全、厄払いなどを祈願する百々手(ももて)祭りが毎年おこなわれてきた。裃姿の子どもたちが射手となり、正面の的を目がけて弓を構える。合計二百本の矢を射るが、二本を一手と数えることから祭りの名が付いたといわれている。地域により祈願の内容は多少異なる。三豊市では、この祭りの際に「もっそうめし」を会食として出したことから市民に親しまれるようになった。
三豊市の学校給食の放送で紹介されている内容)
「肉もっそは三豊市豊中町に伝わる郷土料理。荒神さんのお祭りのあとの会計決算の時に、頭家の人がつくり、みんなで食べながら祭りの反省をした。」

もっそうめし 香川県 | うちの郷土料理:農林水産省 (maff.go.jp)

 

 

肉もっそ

炊き込み御飯のおにぎりのようにも見えますが、少し違います。

干しシイタケの戻し汁で牛肉やゴボウ、豆腐など7つの食材を炊いて具を作り、具と汁を分けた後、炊けた白米に、まずは具を混ぜて、後から汁をなじませるように混ぜます。具とご飯を混ぜるタイミングがポイントだとか。

煮汁がしっかり染み込んだご飯はホロッホロとした独特な食感に!一口食べると病み付きになってしまいます。

 

香川県三豊市のお母さんが作る郷土料理『肉もっそ』 | 瀬戸内Finder (setouchifinder.com)

 

「鯛そうめん」、「いりこ飯」については、

それぞれ「鯛」「そうめん」、「いりこ」「飯」

の造語とおもわれますが、

 

どれもメージャーな単語なので、

検索結果も多くなるだろうと思い、

J-PlatPatでの検索は断念しました。

 

「鯛そうめん」、「いりこ飯」の

解説です。

 

鯛そうめん

 

「鯛そうめん」とは、タイを一尾まるごと姿煮にしたものを、ゆでた素麺と一緒に大皿に盛りつけ、タイの煮汁をつけ汁もしくはかけ汁として食べる。特に瀬戸内海沿岸部で良く食べられ、南予地方では、錦糸卵、千切りしいたけを付け合わせとして、薬味と一緒に食べる。松山地域では、五色素麺を用いることが多く、神への供物になったといわれている。また、七夕の織女にちなみ、糸のような素麺を食べるようになったとも伝えられ、七夕に素麺を食べるという室町時代の風習は、江戸時代になると庶民にも広がったといわれる。

縁起ものの素麺と魚の王者・タイの組み合わせは最強のハレ食といえ、タイが白波の中を泳ぐように飾る豪華な料理のため、婚礼や棟上げ、還暦などの祝いに使われる事が多い。婚礼では、細く長く幾重にも幸せが続くようにとの願いを込めた素麺と、めでたいタイの組み合わせは、両家の親族がめでたく対面したことを祝うともいわれ、縁起をかつぐ意味合いがある。南予地方では「鯛のめんかけ」、松山市周辺では「鯛めん」と呼び、愛媛県全体でも馴染みのある料理となっている。

 

鯛そうめん 愛媛県 | うちの郷土料理:農林水産省 (maff.go.jp)

 

いりこ飯

 

「いりこ飯」は、いりこと呼ばれる煮干しを使った炊き込みごはん。瀬戸内海では、いりことなるカタクチイワシの漁が盛んで、とりわけ西讃(香川県西部)地域に位置する伊吹島周辺は有数のいりこの産地として知られている。
いりこづくりは、鮮度が重要である。漁獲されたカタクチイワシは、わずか30分間で伊吹島に運ばれ煮沸される。この漁獲から加工までの作業を同じ業者が一貫しておこなう体制が、上質ないりこの生産に繋がる。漁獲から店頭に並ぶまでは1~3日。スピードを重視するカタクチイワシ漁だが、水揚げには細心の注意を払う。魚体を傷つけないよう、網に魚が入る量を加減するには熟練の技を必要とする。
穏やかな瀬戸内海で生産されるいりこは、濃厚で旨味の強い出汁がとれる。香川県では、いりこ出汁が、和食料理に欠かせず、名物の讃岐うどんをはじめ、さまざまな家庭料理にいりこ出汁が使われている。また、いりこの身も、煮物や天ぷらとして食べることが多く、食文化を支える代表的な食材の一つである。

いりこ飯 香川県 | うちの郷土料理:農林水産省 (maff.go.jp)

 

どちらも瀬戸内海の海の幸を

活かした郷土料理と見えます。

 

カタクチイワシ漁は、

水揚げに細心の注意を

払うのですね。

 

網に入る魚の量を調整って・・・

そんなこと制御できるとすら、

思っていませんでした。

本日までの調査進捗

本日までの調査進捗

白地図ぬりぬり-地図グラフの制作ツール (freemap.jp)

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

今週も知財の雑談を楽しみましょう。

今週は、香川県の郷土料理・ご当地グルメ

商標の雑談なんていかがでしょうか。

リッキー