IP RIP ~チザイの雑談~

知的財産(Intellectual Property)の「かゆいところに手が届く(Reach the Itchy Place)」お話です。

商標の雑談『大阪の郷土料理・ご当地グルメと商標』[リッキー]

今回は大阪府です。

 

J-PlatPatでは、簡易検索で

商標の調査をしています。

 

特許情報プラットフォーム|J-PlatPat [JPP] (inpit.go.jp)

 

※注意※

2024年1月25日に検索

しました。

 

まずは、関西の郷土料理といった

ほうが正解でしょうか。大阪に

入れさせていただきました。

 

木の葉丼からです。

 

木の葉丼

木の葉丼のイメージ



木の葉丼(このはどん、このはどんぶり)は玉子丼の一種であり、薄く切ったカマボコシイタケを具材に用い、彩りに三つ葉ネギを加えるのが特徴である[1][2]。主に関西で食されており[1][2]、安価でうどんとの相性も良いのでうどん屋の定番メニューとなっているほか、家庭料理としても食される[2]。その一方で、関西以外の地域での知名度は低い[1][2]

名前の由来には諸説あり、カマボコを木の葉に見立てているという説[1][2]三つ葉を入れていることからという説[1]などがある。

 

 

木の葉丼 - Wikipedia

 

第3367456号

 

平成5(1993)年 1月 8日を出願し、

平成9(1997)年 12月 19日に登録。

 

標章は、「木の葉」の文字とともに

文字の前に木の葉を型取ったキャラクター

が付されています。

指定商品は、かみそりその他の手動利器、

刀剣です。

 

標章からは指定商品がまったく想起

できないですね。


第6146560号

 

平成30(2018)年 5月 29日を出願し、

令和1(2019)年 5月 24日に登録。

 

標章は、「木の葉」の標準文字

指定商品は、プラスチック基礎製品。

 

通名称でないのは確かです。

スマホに「apple」のような感じで

識別力があります。

 

かしみん焼

かしみん焼きのイメージ



お好み焼きの具材としてよく用いられる豚肉イカなどではなく、相対的に安価な関西でいう「かしわ」(鶏肉)と牛脂の「ミンチ」を乗せて焼いたものであることから、この二つの具の名前を短く組み合わせて「かしみん」や「かしみ」と呼ばれるようになった。

かしみん焼き - Wikipedia

 

第6333363号

 

令和1(2019)年 6月 25日に出願され、

令和2(2020)年 12月 23日に登録。

 

標章は、「かしみんやき」「はこ」の文字が

二段書きされていて、その左に図形が配置

されています。

指定役務は、経営診断等の助言、

お好み焼き等の提供とあります。

 

かしみん焼き」から飲食物を想起できる

ので、文字だけでの商標登録は難しいと

思われますが、二段書きや図形が識別力

となり、商標登録されていると思います。

 

ただ、「かしみん焼き」「元祖かしみん焼き」

の標章で、指定役務が飲食物の提供という、

出願があります。

 

これは、標章が普通名称ということで、

拒絶理由通知を受けそうに思うのですが、

結果を経過観察してみたいと思います。

 

紅しょうが天

紅しょうが天のイメージ



その名の通り、紅しょうがの薄切りに衣をつけて揚げた天ぷらのこと。大阪府奈良県和歌山県など近畿地方で親しまれている料理である。梅酢の酸味、ピリッとしたしょうがの辛味がアクセントとなり、酒のつまみにもってこい。また、茶色や黄色が多くなる天ぷら類のなかで、紅しょうが天の鮮やかな赤は目をひき、食欲をそそる。


紅しょうがはしょうがの根茎を梅酢に漬けたもので、梅干しを作ったあとの梅酢を再利用して作られた。


紅しょうがの天ぷらがどのような経緯で食されるようになったかは定かではないが、昭和15年に発表された織田作之助の短編小説『夫婦善哉』に「路地の入り口で牛蒡、蓮根、芋、三ツ葉、蒟蒻、紅生姜、鯣、鰯など一銭天婦羅を揚げて商っている種吉は」という記述があり、昭和初期にはすでに大阪庶民の食べ物であったことが伺える。

 

 

紅しょうが天 大阪府 | うちの郷土料理:農林水産省 (maff.go.jp)

 

第4421090号

 

平成11(1999)年 7月 14日に出願され、

平成12(2000)年 9月 29日に登録。

 

標章は、「白謙揚げ」「紅しょうが入り」と

筆書きされ、かつ、二段書きされています。

「紅しょうが入り」の文字は、黒い背景に、

白文字で書かれているのも特徴的です。

 

指定所品は、

紅しょうが入りのさつま揚げ

紅しょうが入りのコロッケ

です。

 

標章が識別力あるように描かれていると

思います。

 

第4559609号

 

平成13(2001)年 5月 31日に出願され、

平成14(2002)年 4月 12日に登録。

 

標章は、「ミニ白謙揚げ」「紅しょうが入り」

と二列に分けて、筆書きされています。

「紅しょうが入り」がより大きく描かれて

います。

 

指定商品は、

紅しょうが入り揚げかまぼこ

です。

 

白謙揚げとはかまぼこのことなのですね。

 

指定商品が、

紅しょうが入りのさつま揚げ

紅しょうが入り揚げかまぼこ

ですと、普通名称を使用していると

拒絶理由を受ける可能性もあるかと

思いました。

 

なので、上記2件のように標章に

識別力を持たせることで、商標登録

がなされたのだと、思いました。

 

第6057800号

 

平成29(2017)年 10月 18日に出願され、

平成30(2018)年 6月 29日に登録。

 

標章は、「紅しょうがマヨネーズタイプ」

「ベニネーズ」と2行に分けて記載され、

背景に白とピンクの縞々模様があり、

ネズミのキャラクターも描かれています。

 

指定商品は、

紅しょうがを加味したマヨネーズソース

紅しょうがを加味したマヨネーズ風ソース

です。

 

これだ標章に、文字、背景、キャラクター

と描かれていると、識別力が出てしまいますね。

 


第6449558号

 

令和3(2021)年 7月 13日に出願され、

令和3(2021)年 9月 29日に登録。

 

標章は、「紅しょうがのあげ玉」の文字が

三段に分けて記載されています。これは

めずらしいですね。

 

あと、「紅」の文字だけ、黒い背景に白文字

で書かれています。

 

指定商品は、

紅しょうがを油で揚げてなる菓子

です。

 

あげ玉は、 てんぷら を 揚げ たときに

油の 中に 散った 衣のくず。 天かす

と思っていますが、

 

指定商品に、菓子

 

とあるので、

天かすといわれて、お菓子を想像

できません。

識別力がありますね。

 

もう少し標章をシンプルにしても、

商標登録された可能性がありそうに

思いました。

 

 

キャベツ焼

キャベツのイメージ



一般的なお好み焼きとは異なり、戦前の洋食焼きや現在の広島風お好み焼きなどと同じ重ね焼きの手法によって作られる。

大正から昭和初期に流行した洋食焼き(一銭洋食)をルーツとし、ネギではなくキャベツを中心に用いるようになった戦中戦後のスタイルをモチーフとして懐古的に復活した料理である。

大阪市を中心として1990年代後半より流行りだした。流行に至った経緯は定かでないが、東成区今里新道筋商店街を発端とする説がある。

 

キャベツ焼き - Wikipedia

 

キャベツ焼きで商標を検索した結果、

ヒットは0件でした。

 

キャベツ焼きは、「キャベツ」と「焼き」

を組み合わせた造語と思われます。

 

「キャベツ」だけだと86件ヒットします。

ちょっとかくには難しい件数ですので、

割愛させていただきますね。

 

 

小田巻蒸し

小田巻蒸しのイメージ



うどんが入った大きめの茶碗蒸しで、大阪発祥の郷土料理。
紡いだ麻糸を丸く巻いたものを「苧環(おだまき)」といい、うどんが紡ぎ糸のように見えるためこの名が付いたという。「小田巻き」の文字は当て字である。
かつて卵が高級品だった時代、卵をふんだんに使った小田巻き蒸しは、船場の商家などでハレの日のご馳走料理として親しまれた。海老やかまぼこなど具材の彩りも華やかで、めでたい席にぴったりな一品。うどんが入っているため腹持ちも良い。
戦前は地域のうどん店などの品書きにのっていたが、食生活の変化の影響もあり、戦後はあまり見かけなくなった。

 

小田巻き蒸し 大阪府 | うちの郷土料理:農林水産省 (maff.go.jp)

 

小田巻蒸しで商標を検索した結果、

ヒットは0件でした。

 

小田巻蒸しは「小田巻」と「蒸し」

との2つの言葉からなる造語と思われます。

 

「小田巻」で調べると3件のヒットがありました。

ただ、1件は、出願人・権利者の名前でヒット

しているようです。

 

第539633号


昭和33(1958)年 9月 18日に出願され、

昭和34(1959)年 7月 28日に登録。

 

令和1(2019)年 7月 23日に更新登録され、

令和11(2029)年 7月 28日が

次の存続期間満了日です。

 

もう6回ぐらい更新がなされているのですね。

 

商標権は、登録から10年間存続しますが、

更新登録により、半永久的に権利を存続

させることができます。

 

これは、特許、意匠とは全く異なる特徴

ですよね。

 

さて、標章は、

「静の小田巻」の文字が縦書きにされています。

※「静」の文字は、標章に記載された文字とは

厳密には一致していません。

 

指定商品は菓子など。

 

なんとか「巻」だとご飯ものを

想像してしまいますね。

 

お菓子を想像できる人はそう

いないのではないでしょうか。

 

第5342751号

 

平成21(2009)年 12月 29日に出願され、

平成22(2010)年 8月 6日に登録。

 

更新登録は10年後に行われますが、

半年ほど遅れたようです。更新を

忘れていた場合でも、半年なら更新

できます。諦めないでください。

 

標章は、「浅五郎の小田巻や」の文字のみ、

標準文字の指定はありません。

指定商品は、菓子。

 

標章から菓子を想起するのが難しいです。

 

 

船場汁(せんばじる)

汁物のイメージ



塩鯖のあらと大根を使った潮汁で、船場で古くから家庭料理として親しまれてきた。鯖のだしがしっかりと生きた上品な味わいを楽しめる一品で、「船場煮」とも呼ばれる。魚のあらまで余さず利用する、大阪らしい“始末の料理”である。
船場は、明治から大正にかけて大阪の商業の中心地として賑わった問屋街。当時、多くの奉公人を抱えていた商家の食生活は、朝夕が茶漬けと漬物、昼が一汁一菜といったごく質素なもので、月2回だけ、塩鯖などの魚が食膳にあがった。その魚の身をとった後の頭、骨、あらを使ってだしを取り、大根を煮たものが船場汁である。魚のあらまで余さず使えて経済的で、かつ時間をかけずに作れることから忙しい商家で重宝され、日常食として定着した。

 

船場汁 大阪府 | うちの郷土料理:農林水産省 (maff.go.jp)

 

船場汁で商標を検索した結果、

ヒットは0件でした。

 

船場汁は、「船場」と「汁」を組み合わせた

造語と思われます。

 

船場」では58件のヒットがありました。

ただ、出願人・権利者で「船場」とつく

方がおおいのでしょうね。半数以上は、

そのようでした。

 

まとめに代えて本日の痒い所

 

  • 二段書きしている商標がよく目についたが、二段書きすると識別力が上がりやすそう

 

  • 更新登録を6回ぐらいしている登録商標も見つかった。商標は、更新を繰り返すことで、半永久的に権利を存続させることができる

 

  • 更新登録を失念しても諦めないで、半年以内なら間に合います

 

編集後記

 

いろいろな郷土料理があり、

ご当地グルメがあります。

 

次はどこにしましょうか。

 

調査の進捗状況

 

調査の進捗状況

今週も知財の雑談を楽しみましょう。

 

今週は、大阪の郷土料理や

ご当地グルメを題材に、

商標の雑談なんていかがでしょうか。

 

リッキー

 

★★IP RIPは、Yuroocleさんに参加させて頂いております★★

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