IP RIP ~チザイの雑談~

知的財産(Intellectual Property)の「かゆいところに手が届く(Reach the Itchy Place)」お話です。

弁理士「緊急出願案件」[らるご~]

◆緊急出願案件とは

緊急出願案件を特許事務所に依頼する場合として、例えば、以下のような場合があります。

・近日、学会発表があるが、その研究内容に関して未出願であった。

・近日、商品発表があるが、商品に含まれる発明に関して未出願であった。

つまり、緊急出願案件は、学会(商品)発表前に出願を完了するために、短い期間の中で記載内容の質を維持しつつも迅速に対応しなければならない案件なのです。

        

◆緊急出願案件は、ある日突然やってくる

上記した性質上、緊急出願案件は、ある日突然やってきます。これまでに私は何度も緊急出願案件を担当してきましたが、毎度緊急出願案件がやってくると、そこからはヒリついた日々が始まります。出願までの残り日数は、比較的余裕の有る案件から絶望的に短い案件まで色々とありますが、直近で担当した案件では、発明の内容に関する打ち合わせから指定された出願日までの日数が10日間(土日含む)でした(通常は打ち合わせから出願日まで1~2ヶ月程度)。この案件、打ち合わせ終了時点では未だ発明が固まっていなかったものの先行して明細書の執筆を開始し、後日に発明の内容が固まった案件でした。

 

◆緊急出願案件の良いところ?

緊急出願案件の良いところ?は、依頼者さん(発明者さんや知財担当者さん)と弁理士が指定の出願日に間に合わせるために、密に協力して仕事を進められるところです。1つの目標に向かってお互いが必死に仕事を進めるため、通常案件よりも達成感はマシマシです。また、ここだけの話、通常案件よりも短い期間で出願まで進むので、依頼から料金を請求するまでの期間が短いのも良いところです(出来高制の給料に即反映されるため)。特許事務所によっては、緊急出願案件の場合、通常案件の料金に加えて追加料金を請求するところもあるそうです。

 

◆まとめ

以上「緊急出願案件」でした。この業界に入って間もない頃、先輩弁理士緊急出願案件が来ても平然とこなしているのを見て、自分もいつかそうなれるように頑張ろうと思ったのが数年前。数年後、現在の自分は、その時の先輩弁理士と同じくらいの経験年数になったにも関わらず、緊急出願案件がやってくると、「今回は期日に間に合わないかもしれない…」と毎度頭を抱えています。もしかしたら、あのときの先輩弁理士も、心の中ではそう思っていても顔に出さなかっただけかもしれません。今回も本ブログをお読みいただき、ありがとうございました。

 

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