IP RIP ~チザイの雑談~

知的財産(Intellectual Property)の「かゆいところに手が届く(Reach the Itchy Place)」お話です。

弁理士「内外業務で感じる物価高」[らるご~]

特許事務所勤務の弁理士らるご~です。さて12月に入って仕事が徐々に立て込んできております。体調崩さずに淡々とこなしていきたいところです。さて、そんな12月に入るまでのここ数ヶ月、内外(日本の出願人が外国で特許を取得すること)業務に対応することが多かったのですが、今回はそこで感じたことを書いていきます。

 

典型的な内外業務の流れ

まず初めに、典型的な内外業務の簡単な流れについて説明します。例えば、アメリカへの特許出願に対してOffice Action(拒絶理由通知)があった場合、どのように対応すべきか日本弁理士から現地(この場合はアメリカ)代理人に指示が出されます。そして、現地での対応が完了すると、現地代理人から日本弁理士にその旨の連絡があります。

 

そこで感じたこと

現地からの応答完了連絡時には、併せて請求書が送られてきます。最近その請求書に書かれる費用の額がだいぶ高くなってきたと感じています。諸外国の物価上昇率に比べて日本の物価上昇率が低いことは、昨今ニュースで頻繁に報道されていることから、皆さん承知のことと思います。しかし、メディアを通して知っていても、実際に自分がその現状を目の当たりにすると、海外の物価が本当に高くなっていることを痛感させられます。感情的に表現すると、例えば「こんな(簡単な)対応をするだけで現地代理人はこんなに高い費用を請求できるのか。羨ましい…」という感じです。まぁ現地は現地で物価が高いですから、その分だけ日々の出費がかさむのでしょうけど。

             円安ドル高のイラスト

 

物価高による懸念

このような内外業務での現地代理人に支払う額の上昇は、ひいては日本の出願人の外国出願減少を招くのではないかと懸念しております。とは言っても、日本の物価が諸外国の物価と比べて安いということは、日本企業にとっては国内よりも海外での販路を拡大して利益を伸ばすよう努めた方が得策であり、そのために予め外国出願をしておくのはマストであると考えます。ただそれ(外国出願)には先立つものが必要であり…となると大企業と比べて資力に乏しい中小企業では、費用上昇に伴い外国出願がしにくくなる→海外展開を躊躇→利益が伸びにくいという悪循環へと陥りやすいのでは、と悶々と考えてしまいます。

 

まとめ

以上、内外業務で最近感じたことでした。悶々と感じたことだけ書きなぐってなんだか申し訳ない記事となってしまいました。どうあがいても自分1人では日本の物価上昇に大きな影響を与えることはできませんが、お客さんとなる企業さんに少しでも利益をもたらすべく、1つ1つの特許が出来るだけ良いものになるよう努めていくしかありませんね。ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

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