みなさま、こんにちは。マータと申します。
マータ(博士/弁理士) (@b8L18UnY7nPd5NC) / Twitter
先日のらるご~さんの記事にも書かれていましたが、日本の特許出願件数は年々減少傾向にありますね。
特許行政年次報告書2022年版
https://www.jpo.go.jp/resources/report/nenji/2022/document/index/0100.pdf
このデータを見ていて、「全体的に減っているけど、技術分野ごとの出願数の推移はどうなんだろう?」と疑問に思いました。そこで、「特許行政年次報告書」の分野別統計表を見てみました。データが膨大なので表の一部を下記に示します。このように各技術分野について年ごとの出願件数がまとめられています。
特許行政年次報告書 分類別統計表より一部抜粋
https://www.jpo.go.jp/resources/report/nenji/2022/document/index/020205.pdf
表だと少し分かりにくかったので、2011年の出願数を1として相対値をとってグラフにしてみました(今回は、2011年の時点で出願数が100件以下の分野は除外しました)。
まず、Aセクション: 生活必需品については次の通りでした。
このセクションにおいては、A24のたばこ関係の出願が急増していることが分かりました。2011年から比較して2020年では7倍程度に増えてます。出願数自体は2020年の時点で975件なので数としてはまだまだ多くないですが、今後もこのまま増えていくのかどうか注目したいです。
続いて、Bセクション 処理操作;運輸について。
目立った傾向を示す分野はないように感じましたが、強いていえばB64が増加しているようでした(2020年はちょっと減少していますが)
Cセクション: 化学;冶金について。
どちらかというと、減少傾向を示す分野が多かったですが、C12は徐々に増加しているように見えます。
Dセクション: 繊維;紙について。
目立った傾向を示す分野はないように感じました。
Eセクション: 固定構造物について。
E06が2011年から2014年までに増加していますが、その後横這いです。
その他には、特に目立った傾向を示す分野はないように感じました。
Fセクション: 機械工学:照明;加熱;武器;爆破について
どちらかというと減少傾向にある分野が多いように感じます。
Gセクション: 物理学について。
増加傾向の分野としてはG08などがありました。一方で、G11については2割程度まで激減していますね。何がおこったのでしょうか。。
Hセクション: 電気について
全体的に減少傾向に見えます。
まとめ
日本の特許出願は毎年減少していると言われますが、分野別に見ると様々ですね。特に、A24のたばこ関係の出願が増えてきているのが興味深かったです。もう少し細かい分類まで調べるともっと色々分かるかも知れません。今後の動向に注目したいと思います。
今回は、色々な技術分野について出願件数の増減を調べてみました。一方で、各分野について増減が起こった原因についての考察まではできていません。私のデータの見方について間違った点などかあればご指摘頂けると嬉しいです。最後までお読み頂きありがとうございました!!
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