特許事務所勤務の弁理士らるご~です。例年通り繁忙期に入ってきております。今の所は酸欠にならずにペースを保てておりますが、気を抜かずに乗り切りたいところです。
さて今回は「文章の客観性」について書いていきます。
ここ最近仕事をしながら
以下の2点についてボンヤリ考えていました。
(1)出願書類作成時にどの工程で特に時間を要しているか
(2)他事務所から引き継いだ出願の拒絶理由対応に何故あんなに苦労したのか
その結果(1)(2)いずれもが「文章の客観性」に関することでした。
(1)出願書類作成時にどの工程で特に時間を要しているか、について
こう考えていたのは、日に日に増えていく仕事量の中で更なる効率化を図ろうとしていたからです。特に時間のかかっている作業を検討したところ、文章を書きながら、「この文章は読み手(出願人や審査官)にとって読みやすいか」「この文章の表現でお客さん(出願人)の意図する内容を正確に伝えられているか」等(=文章の客観性)を考えるのに多くの時間を割いていることが分かりました(←多くの弁理士さんにとって当たり前過ぎるかもしれなくてすみません)。もっと言えば、可読性に重きを置きつつも正確性も両立させることにエネルギーを使っているようです。自分の頭の中で理解できていることでも、文章で表現しようとした途端に、修飾過多、係り受けが不明等の問題が発生しがちで、そうならないようにかなり警戒して作業を進めているようです。
(2)他事務所で作成された出願の拒絶理由対応をした際、かなり苦労したが何に苦労したのか、について
他事務所で作成された出願を引き継いで、最近その拒絶理由対応をしていたのですが、かなり苦労させられました。詳細には、拒絶理由が36条関連のオンパレードで、請求項の記載がボヤっとしており、更に明細書の記載も全体的にボヤっとしていたため、補正して請求項の記載を再構築するのにかなりの労力を費やしました。請求項および明細書のいずれもがボヤっとしていたということは、書き手が発明の肝を十分に理解できていなかったということであり、そのような状態で書かれた文章には、当然に可読性や正確性(=文章の客観性)が担保されているハズがありません。
まとめ
(1)については、変に効率化を図ろうとするのも良くなさそうですね。一方(2)については、人の振り見て我が振り直せですね。特に(2)から、やはり特許事務所での仕事には、文章の客観性が大事であるという至極当然なことを改めて思い知らされました。この仕事では、請求の範囲や明細書の記載のみならず、お客さんや外国代理人とのやり取りも文章ベースで行われることが多いので、常に客観性を意識して文章を作成せねばですね。
と、ここまで書いてきて、自分はただ単に(2)の愚痴を言いたかっただけなのかもしれないことに気付きました。そんな文章をここまで読んでいただき、毎度ありがとうございました。
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