IP RIP ~チザイの雑談~

知的財産(Intellectual Property)の「かゆいところに手が届く(Reach the Itchy Place)」お話です。

商標「改造品を売るときに気をつけたいこと」【MI】

趣味でドラムをやります。

半年くらい前にPearl社の「P-3000D」(写真1:左)というペダルを買いました。ダイレクトドライブ(写真2:上)というのが特徴で、これが使ってみたかったんですが、どうにも使いにくい。そこで、チェーンドライブ(写真2:下)用のパーツを買って、「偽P-3000C」(写真1:右)に改造しました。それでもどうにも自分に合わない。。。(結構高かったのに 泣)仕方なくメルカリで売りました。

(写真1)出典:

ハードウェア:Hard Pedal Eliminator Demon|パール楽器製造株式会社

(下記画像は上記webページの一部です。最終閲覧日;2020/8/9)

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(写真2)出典:

ハードウェア:P-3000D|パール楽器製造株式会社

(下記画像は上記webページの一部です。最終閲覧日;2020/8/9)

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と、前置きが長くなりましたが、その時ふと思ったのが、「こういう改造品って売ってもいいのか?!(知財的に)」ということで、これが今日のテーマです。

で、これについて特許的にはすでにいろいろな議論がある(興味のある方は「インクカートリッジ 特許」で検索)ので、今回は商標的に考えてみようと思います。

例えば、「P-3000D」と「P-3000C」がPearl社によって商標登録されているとします。その場合、ボクの「偽P-3000CP-3000Dを自分で改造したもの)」を「P-3000C」と表示して売ってしまうとNG(商標権違反)な可能性があると思います。

なぜか?

登録商標P-3000C」にはPearl社の信用が化体して(乗り移って)います。要するに、ドラマーは「P-3000C」と表示された商品を見ると、「Pearl社が責任を持って製造したあのペダルだ!」と思うわけです。これに対し、おそらくボクの偽「P-3000C」は本物の「P-3000C」と比べて品質(精度や耐久性など)で劣るでしょう。素人が分解・組立てしているので当然です。そうなるとボクの偽「P-3000C」はやはり本物の「P-3000C」ではなく、「P-3000C」だと思って買った人はガッカリして、本物の「P-3000C」やそれを製造するPearl社のことを嫌いになってしまう可能性があるわけです。

これを防ぐために、改造品を販売するときには、「改造したこと」や「純正の〇〇(登録商標)ではないこと」をちゃんと表示することが重要だと思います。

 

今回は、「P-3000C」や「P-3000D」は登録されていませんでしたし、ボクもちゃんと「P-3000Dを改造したこと」を表示したので、大丈夫だと思います。メルカリ等は非常に便利ですが、改造品を出品される方は、ぜひ気をつけていただければと思います。