みなさま、こんにちは。
https://twitter.com/b8L18UnY7nPd5NC
2021/08/23現在、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない状況ですね。
昨日は、東京で4392人の感染が確認されたようです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/53d3d8e69fa9c6863c66ab8fba4611157488fa63
一方で、新型コロナウイルスワクチンの国内における接種状況に関しては、2回接種を完了した人数が5000万人を越えたとのこと。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d679795dcdbd5b7b4c0243efc202d40cf47bb962
皆様ご存知だと思いますが、現在、国内で承認され接種が進行しているワクチンは、モデルナ社製またはファイザー/ビオンテック社製のmRNAワクチンです。
今回のパンデミックで一躍脚光を浴び、ノーベル賞級とも言われるこのmRNAワクチン、いったいどのような技術や特許が関係しているのでしょうか?知財にかかわる者としてはとても興味があります。
今回のmRNAワクチンに応用されている重要な基礎技術としては、主に「mRNA本体」に関わる技術と、mRNA本体を包むための「脂質ナノ粒子(Lipid nanoparticles, LNP)」に関わる技術があるようです。詳しくは記載しませんが、モデルナ社製またはファイザー/ビオンテック社製のいずれのmRNAワクチンも基本的には同様の技術を用いているみたいですね。
ただ、その背後には非常に複雑な特許の権利関係があるようで、それを可視化したのが下の図になります。
引用元:
A network analysis of COVID-19 mRNA vaccine patents.
Nature Biotechnology volume 39, pages546–548 (2021)
Mario Gaviria & Burcu Kilic
https://www.nature.com/articles/s41587-021-00912-9
図のなかには、モデルナ (Moderna)、ファイザー(Pfizer)、ビオンテック(BioNTech)の名前が確認されますが、その他非常に多くの企業や大学などが複雑に関係(ライセンスや共同研究開発、共同特許など)しているのが分かります。
今回のワクチン開発の注目すべき点として、その『圧倒的なスピード感』があります。この図にも示されている通り、それを実現した要因の一つに多くの大学・企業(ベンチャー、メガファーマ)間の国を越えた連携があったのではないかとおもいます。
自社の研究や商品開発を加速するためには、グローバルな連携や、他社の特許技術であってもライセンスにより早期に自社に導入するという積極的な姿勢が今後増々重要になってくると感じます。
一方で、mRNAワクチンの技術は新型コロナウイルス感染症だけでなく、その他様々な疾患の治療にも応用が期待される非常に有望な技術であり、今後さらなる利益を生む可能性があります。そのため、各組織間で特許をめぐる対立が増大する可能性は大いに考えられます。この点も非常に興味深い点なので、その動向に注目していきたいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました!