IP RIP ~チザイの雑談~

知的財産(Intellectual Property)の「かゆいところに手が届く(Reach the Itchy Place)」お話です。

弁理士「発明者さんとのWeb面談をうまく進めるためのコツ」[らるご~]

さて、本記事のキーワードはズバリ「Web面談」です。この記事を読んでくださっている方々は、日常的にどれくらいの頻度でWeb面談を実施されていますか。自分の場合は、発明者さんと新規出願の打ち合わせを行う際、先方の希望もあってほぼ毎回Web面談を実施しています。みなさんご存知のように、Web面談って対面の面談とはかなり勝手が違いますよね。

そこで今回は、コロナ禍になってから約1.5年間、私がWeb面談を経験してきて得たコツについて、まとめてみました。

 

1.ビジュアル情報の共有

Web面談をうまく進めるためには、何よりも「ビジュアル情報の共有」が大切だと思っています。例えば、以下のイラストにあるような道具の発明に関して、赤矢印で示した部分について面談時に言及しようとした場合、事前に下記イラスト(発明者さん作成の絵に赤矢印を追記したもの)を発明者さんに送っておいて、面談時に「赤矢印部分」と言えば、どこの部分を指しているのかすぐに分かってもらえます。しかし、このようなイラストがない状態で赤矢印部分に言及しようとすると、「青い持ち手部分と、先端の細くなっている部分との間の細長い部分」と言わなければならず、回りくどい言い回しになってしまいます。また、そのような言い回しでどの部分を指しているか伝わればいいのですが、伝わらないとなかなかに大変です。

              f:id:discussiong1:20211016101714p:plain

また、例えば、事前に発明者さんが提案してきた発明が下記左図のような形状であった場合に、下記右図の形状の方が意図している効果をより発揮できるのではないかと面談時に提案しようとすると、この形状を口頭説明だけで理解してもらうのはかなり難しいと思います。

 

              f:id:discussiong1:20211016103810p:plain

従来の対面での面談では、紙に書かれた図面を見せながら「この図面のここらへんが~」と説明できたり、目の前で絵を書いて「こんな形もアリですかね?」と質問できたりしたのですが、Web上だとこのようなやり取りが少しやりにくくなります(Web上の画面共有により可能ではありますが、少し手間に感じます)。そのため、Web面談に臨むにあたり、私は、面談時に必要となるであろうビジュアル情報を事前に作成して、発明者さんに毎度送っておくようにしています。

 

2.声&リアクションは大きく

ビジュアル情報の共有の他に、私が気を付けているのは、「声&リアクションを大きく」することです。大きめの声を意識するのは、こちらの声が小さくて(もしくは、発明者さん側のスピーカーの機能があまり良くなくて)、発明者さんがこちらの声を聞き取りにくいという状況を避けるためです。また、大きいリアクションを意識するのは、発明者さんが話しやすい空気を作るためです。Web面談の場合、自分が喋っていて相手のリアクションが薄めだと「相手に自分の声が本当に届いているのか」と不安になります。そのため、私の場合は、対面の面談時よりも相づち&うなずき3割増しを意識しています。

              オンライン打ち合わせのイラスト

3.まとめ

以上、Web面談をうまく進めるための私なりのコツでした。対面の面談と比べて、Web面談ではどうしてもコミュニケーションが “遠い” 感覚になりがちです。その遠さを少しでも解消できるように、私なりに工夫してはいますが、まだまだ改善の余地はたくさんあると感じています。本当は、他事務所の弁理士の方々のWeb面談を見学させていただいて、良いところはガンガン盗んでいきたいのですが、それはなかなかできないですしね。最近Web面談の対応レベルが停滞していると感じているので、何か新たな気付きが欲しいと思う今日この頃です。

最後に少しボヤきましたが、ここまで読んでいただき、ありがとうございました~。