IP RIP ~チザイの雑談~

知的財産(Intellectual Property)の「かゆいところに手が届く(Reach the Itchy Place)」お話です。

特許『発明の説明をするための題材』[リッキー]

発明の説明をするのに良いサンプルはないかな?なんて考えながら身の回りのものを見ていますが、最近、自分の中では良いサンプルを見つけたのでシェアさせていただきたいなと思いました。個人的にはいい発明だなと思いました。

 

お急ぎの方は、下の方をお読みください。順に、よくある箱の説明から始めています。

 

箱の筐体と蓋だと、蓋はこんな感じのものが多いかなと思います。

開けやすいというメリットがありつつも閉めたつもりでも開きやすいというデメリットもあるかなと思います。



勝手な想像ですが、この閉めたつもりでも開きやすいというデメリットを改良したのがこちらの箱かなと思います。



うまく文言で表現できているかわかりませんが、蓋には穴があり、筐体にはこの穴に一部が収まる帯状の部分があります。蓋を閉めたあとさらに、帯状の部分を蓋の穴に入れると、この閉めたつもりでも開きやすいというデメリットを解消をできますね。

 

しかし、でもこのような箱には問題があるかなと思います。みなさんも思い当たる節はありませんでしょうか。

 

蓋が開きにくくなったので、今度は蓋が開けにくいのですよね。

 

では、どのように今度は蓋を開けにくいという問題を解消すべきでしょうか。今回は、その答えともいうべき箱を見つけたのでシェアしたいと思った次第です。

 

では、その回答は・・・とその前に。他の解決手段もあるかなと思います。例えば、これですね。



突起にマグネットがあり、鉄片にある穴が突起に引っかかることでロック状態となり、鉄片にある穴が突起から離れるとロック解除状態となります。

 

これだと、ロック解除状態では蓋を開けやすいですし、ロック状態では蓋が開きにくいです。蓋が開きにくい、蓋が閉まりにくいといった問題からは離れることができますね。ただし、マグネットや鉄片を使うので材料費が高く付きます。

 

箱の一部をマグネットや鉄片にして、他の部分をダンボールにするなど工夫することで材料費をいくらか抑えられると思いますが、やはり、ダンボールだけで構成される箱には材料費の面で勝ることはできません。

 

話を戻しましょう。ダンボールから構成される箱で、蓋を開けにくいという問題をどう解消すべきでしょうか。その解決手段の一つがこれではないでしょうか。



帯状の部分に一部が切込みがあり、切り落とされていない部分を回動中心振れる振り子部分がある。振り子部分は帯状部分から飛び出ているので、指でつまみやすくなっています。このため、蓋の穴から帯状部分を外しやすくなります。

 

この振り子部分がないと本当に開けるのに苦労するのですよね。終いには、蓋の穴を指でこじ開けてしまうので、蓋の穴を一端として蓋の一部を破いてしまいます。このようなことも防止できますね。

 

振り子部分があることで蓋を開けにくいという問題を解消でき、蓋の一部を破いてしまうことももうなくなります。ただ、ここで新しい問題が発生します。

 

この振り子部分は、帯状の部分にしっかり収まることがないので、一度使うと飛び出たままで見た目が悪いのです。どうしたらこの見た目の悪さを解消できるでしょうか。



問題解決を続けていると、あるところで最初の問題を解決できます。今回の場合では、振り子部分を設けたことにより、開けにくいとの問題を解決しました。ところが、問題が変質して、見た目の悪さが問題になりました。実務をやっていると、課題を解決すると次の課題が生まれ、課題の解決を繰り返していると課題が変質することも経験します。

 

新人のときは他の例で発明の特定の仕方、提案書の書き方を習いました。そのあと、私が教える立場になったらどのような例を用いて説明しようかと考えることが幾度とありました。今回はたまたま、よいサンプルに出会うことができました。

 

講習会を開催すると、新人のきに受講した講習会よりも長時間になりそうです。どこかで、このサンプルを使えるときが来たらいいなと思います。

 

まとめ

 

発明の説明をするのに良いサンプルはないかな?なんて考えながら身の回りのものを見ていて、最近、自分の中では良いサンプルを見つけたのでシェアさせていただきました。参考になったら嬉しいです。

 

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リッキー