夏の風物詩と言えば何でしょうか?
プール?
海?
花火?
そもそも風物詩ってなんでしょうか?Wikipediaには下記の記載があります。
風物詩(ふうぶつし)とは、ある季節特有の現象、文化、味覚、生物、物売りなどであり、その季節をより意識に特徴づけることができる、物・事柄のことである。
理解が深まりましたね。
夏の風物詩
この判決文(平成29年(ワ)第8272号)にも夏の風物詩が出てきます。あ~あの判決ねって感じだとは思いますが、早速見てみましょう。
そうめん流し器の使用態様は下記の認定となっています。
本件登録意匠に係る物品であるそうめん流し器は,連結したレール部に上流から 水を流下させて適宜そうめんを流し,レール部上を流れるそうめん又はトレイ部内を回転するそうめんをすくい取って食することができるようにしたものである。
そうめん流しと言えば、竹筒を半分に割ったものを一直線に並べて、そうめんを水と共に流し、流れるそうめんに途中で箸を立てて、そうめんをひっかけてすくいますね。がんばってすくわないとバケツの中に落ちちゃうというか、ざるでそうめんだけ受け止めますかね?
トレイの中をぐるぐる回るそうめん流しもありますね。こちらは、そうめんを取り損ねると、バケツで救わなくてはいけないとか、ざるでうけとめなければならないとか、そこらへんのめんどくささが解消されていていいですよね。
本件登録意匠に係る物品であるそうめん流し器は、この両方を兼ね備えてしまっているというのが特徴のようです。
公知意匠と比較しても、レール部とトレイ部を備えるそうめん流し器は公知ではなかったようです。
そして、需要者はこのそうめん流し器のどこに注目するかというと、まずはそうめんを取るレール部やトレイ部であると認定されています。それはそうですよね。そうめん食べたくてそうめん流し器を使うのですし。
本件登録意匠に係る物品であるそうめん流し器では、レール部が大きく、需要者の目を引き、美感を感じさせるとも認定されています。特に、需要者はレール部とトレイ部が結合して成る形に注目するとのことです。
このように人間はどこを注目するのかという分析をとても面白いと思って読んでいます。
商標も同じ感じがしますが、基本が全体観察で、例外が分離観察ですので少し違いますし、特許や実用新案は請求の範囲を記載しますので、どこに注目すべきかは一目瞭然な感じがします。
話を戻しまして、レール部とトレイ部が結合して成る形が本件意匠の要部ということです。
被告製品は、この要部を備えていましたから、他の部分で異なる構成は多々あったのですが、要部のもたらす印象を他の部分のもたらす印象を凌駕することはないと判断されました。
そうめん流しの発祥の地はどこ?
それにしても、そうめん流しの発祥の地はどこなのでしょうか。
諸説あるようなのですが、下記のブログでは3か所紹介されています。
流しそうめん発祥の地はどこ?【宮崎高千穂・鹿児島指宿・岐阜郡上】 | ぼぶたろう流儀 (bobtaro.com)
- 宮崎県高千穂町にある千穂の家
- 鹿児島県指宿市の唐船峡
鹿児島県指宿市の唐船峡には行ったことがあって、鹿児島旅行に行く友人にお勧めしています。
流れてくるそうめんを焦ってすくわなくてもいいので、子どもを連れていくには最適です。
また、森の中にある感じで、おそらくどの席も日が当たりにくいかと思います。もちろん屋根付きの席もありますが、どの席が空いているかによるので、混雑時はどこに座れるかわかりません。
でも冬でもない限り、特に夏はみなさん考えることが同じで人が多いですので、混雑必至です。
まとめに代えて本日の痒いところ
- そうめん流し器の意匠について侵害訴訟事件があった
- この事件時、レール部とトレイ部が結合したそうめん流し器は珍しかった
編集後記
不定期になると思いますが、編集後記も書いてみたいなと思います(ブログ記事とはほとんど関係ないことになると思います)。
山本屋総本家に味噌煮込みうどんを食べに行ったのですが、HPをみていると、お飲み物のところに「煮込みうどんをつまみにお酒を嗜まれる方も少なくありません。熱々の煮込みうどんを冷たいお飲み物で流し込むのもおつです。」と書かれていました。
“おつ”ってなに?ってところに引っかかりました。
ググってみたのですがさっぱりわからず。
愛知県出身の友人に聞いたのですが、言語化するのが難しい感じでした。風流だねってかんじかな?との回答でした。
暑い夏に、熱々の煮込みうどんを冷たいビールで流し込むのも、風物詩になりませんかね?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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