昨日が論文試験の合格発表の日でしたね。合格された179名の方おめでとうございます!引き続き、口述試験も頑張ってください!
4か月も前ですが、このようなニュースが出ていて何か書きたいなとは思っていたのですが、ようやく取り組めそうです。
JR東日本25年ぶりの改札機全面刷新で何が変わる? 担当者が導入の背景明かす【WBS】(テレ東BIZ) - Yahoo!ニュース
QRコードが読める改札機、25年ぶりの改札機刷新とのことです。
改札機の歴史
だいぶ人間としても古くなってきたのかなと思いますが(知財業界ではベテランの方がたくさんいらっしゃいますので、業界内ではまだまだ若手の意識でいます)、子どものころ電車に乗った時は有人改札だった記憶があります。
また、改札のおもちゃもあって、切符切りはさみで切符を切るおもちゃで遊んだ記憶があります。
いつの間にか、有人改札は自動改札に代わりましたが、いきなりSuica対応ではなく、磁気切符対応だったかなと思います。
それでもいきなりすべて自動改札になったわけではなく、トラブル時のために、今のように1つは有人改札がありますね。
「裏が白い切符は有人改札へ」みたいな看板も見た気がします。後ろが茶色でないと、磁気テープが貼ってないということなのでしょうね。
そして、ちょうど高校生だったころ、Suicaが登場しました。これは鮮明に覚えていますね。
初代のSuicaには黒いペンギンのイラストも無かったことも覚えています。それもそのはず。黒いペンギンのイラストのないSuicaを愛用していたのですが、あるときチャージしたときに、自動券売機に吸い込まれて、黒いペンギン付に強制的に変えられてしまいましたから。
あと、この時期のよかったことは、オレンジカード(磁気カード)を買うと1割分がおまけなのか加算されてお得に使えることでした。回数券みたい感じですかね。
そしてそのオレンジカードも2013年に販売が終了し、今ではその払い戻しも終わってしまったようです。
オレンジカードについてのお知らせ:JR東日本 (jreast.co.jp)
これでようやく2023年に戻ってきました。
これでQRコードが読める改札機に話が戻ってきます。
どのような出願が出ているのか見てみたいと思います。
検索
Jplatpatの簡易検索で、「改札口」「QRコード」と入力して、「四法すべて」で検索しました。そうすると、特許2件、意匠2件、ヒットします。
特開2013-097537
特許請求の範囲にある請求項1を見てみますと、複数の自動改札機と使用状態管理装置とが登場する改札システムの発明です。自動改札機の構成要素には、「乗車券情報読取部」「使用状態管理情報取得部」「判定部」「使用状態通知部」という構成要素が登場します。また、使用状態管理装置には、「更新部」「整合部」が登場します。構成要素の名称からして、改札システムっぽいという感じが見て取れます。
図2には下記のような図があります。
2013年時点では、切符のような台紙にQRコードが印刷される想定だったようですね。飛行機と同じ感じなのかなと思います。
ただ、ニュースによれば、スマホの画面にQRコードを表示して改札機に読み取らせるように思われますので、2013年時点では想定していない未来になっているようですね。
特開2020-144566
ざっくり見る感じ、入場する駅の改札機にあるQRコードと退場する駅の改札にあるQRコードとが別物で、スマホでそれぞれのQRコードを読み取り、利用料金が決済される決済システムの発明です。
ニュースにある改札機は、こちらの改札機ではなく、特開2013-097537の改札機に近いようでした。
ただ、こういうバリュエーションを保護しようとするのも大切ですよね。どちらに転ぶか、わからないからです。
意匠登録第1750122号
QRコードの読み取り部分だけが、部分意匠として出願され、部分意匠の意匠権として登録されています。
ニュースに掲載されている写真とは、ちょっと違いますね。ユーザー側を向くように傾斜面があり、そこにQRコードを読み取る機会があるようです。なんか、ユーザーフレンドリーな意匠との印象を持ちました。
意匠登録第1750027号
同じような感じですが、QRコードの読み取り機が縦長のようですね。先ほどのは横長でした。
こういうバリュエーションを保護するのは大切ですね。
まとめに代えて本日の痒い所
- QRコードが読める改札機が登場しました。
- Jplatpatの簡易検索で、QRコードが読める改札機の特許2件、意匠2件、ヒットします。
- 意匠2件は、なんともユーザーフレンドリーな感じのデザインです。
編集後記
スマホの画面にQRコードを表示して決済をするのが最初に流行したのは、中国だったのでしたっけ?と思ったのですが、こんな記事がありました。
QRコード決済は最近になって普及したものの、実は20年近くの歴史がある。日本においてQRコード決済が認知されるようになったきっかけは、2002年にNTTドコモが日本コカ・コーラおよび伊藤忠商事と共同で開発した「Cmode(シーモ)」の登場だった。
コロナ禍で世界的に普及が加速した「QRコード決済」の行方:日経ビジネス電子版 (nikkei.com)
Felicaカードよりちょっと遅めの登場だったのですかね。「Cmode」の存在に気づいていませんでした。そのころは、「●mode」と言えば、「i-mode」の認知度が高かったのではないでしょうか。
なんか懐かしい話ばかりになってしまいました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。今週も知財の雑談を盛大にしましょう~。
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