IP RIP ~チザイの雑談~

知的財産(Intellectual Property)の「かゆいところに手が届く(Reach the Itchy Place)」お話です。

特許『特許庁のお金の使い方』[リッキー]

特許庁のHPを見ていたら、今までは目に留まらなかったものに、目が留まりました。

 

特許庁の予算です。

予算



そういえば、特許庁は何にどれだけお金を使っているのでしょうか?見ていきたいなと思います。

 

令和6年度経済産業省概算要求のPR資料一覧:特許特別会計 (METI/経済産業省)

 

INPITへの運営交付金

 

このブログでもたびたび検索に使用しているJ-PlatPatが有名ですかね。J-PlatPat以外にもいろいろと活動されていますけれども。

 

予算を見ていきましょうなんて言っておきながら、目に留まったのは、J-PlatPatの検索回数が目標値として設定されていることです。

 

1億6600万回以上!!!!!

 

これってどうやって達成しようとしているのかが気になりました。

 

また、この運営交付金が一番巨額なのかと思いましたが、任期付き審査官の時限延長やシステム改修にそれぞれ300億円以上が予算要求されていますので、上には上がいました。

 

INPIT運営交付金



特許出願技術動向調査分析費(事務費)

ときどき知財経営とか知財戦略とかのレポートが掲載されていますが、これの費用なんでしょうかね。

 

ありがたく拝見しておりますが、4.4億円の予算要求のようです。結構、手間暇かかるということなんでしょうか。

 

特許出願技術動向調査分析費(事務費)

 

分類・Fターム一元付与実施費(事務費)

 

検索には、FI、Fタームが欠かせません。

 

これも外注だったのですね。まぁ、特許庁内で人をやりくりするのは大変そうですし、どんどんアウトソーシングしようということなのでしょうか。

 

また、視線がそれてしまいいました・・・。最初の拒絶理由の通知の目標も記載されていますね。

 

10か月ですか!!!!!!

 

思うところいろいろありますが・・・・早いですね。しかも、令和15年度、10年後においてもこの審査スピードを維持する予定のようです。

 

10年過ぎたら審査が遅くなってもいいってことなのかな?なんての愚問ですかね。

 

10年後のことは白紙だよということであればいいのですが、人口減少により出願件数も減って、この体制を維持しておけば審査期間は、9か月、8が月とどんどん短縮されていくぜ!ってことでしたら、ちょいと恐怖を感じます。

 

そうでないことを祈るばかりです。

 

分類・Fターム一元付与実施費(事務費)

 

Fターム等を用いた先行技術文献調査外注費(事務費)

 

拒絶理由通知と言えば、J-PlatPatにある検索報告書なるものが多くの場合ついていますよね。

 

審査官も、技術を把握して、検索して、拒絶理由通知書いて、意見書・補正書を読んで・・・ってやるだけでも大変そうですが、これだけがしごとではないですからね。

 

よい拒絶理由通知を書いてもらうには、一部を外注しなくてはならないのは納得です。

 

これも巨額になりそうと予想していましたが、300億円とはいかずとも、任期付き審査官の時限延長やシステム改修に次ぐ金額なのでしょうか。

 

Fターム等を用いた先行技術文献調査外注費(事務費)



 

文化庁の予算

 

特許庁の予算を見ていると、文化庁の予算はどうなっているか気になりますね。ネット記事でも文化庁の予算が高いのやら低いのやら何か書かれていたようですが。

93934601_01.pdf (bunka.go.jp)

 

文化庁全体では、1350億円の予算要求のようです。昨年の1061億円から289億円増えています。ネット記事は、予算増えすぎとの記事だったのでしょうか・・・。

 

文化庁の予算

 

特許庁の予算とみてみると、だいぶ毛色が違う感じがします。特許庁は、検索に関するような予算が大部分を占めるように思うのですが、「承継の危機に瀕する文化財保護の緊急強化」、「グローバル展開やデジタル化などによる文化芸術活動の充実」、「文化振興を支える拠点等の整備・充実」という項目が展開されています。

 

検索って感じの予算がほぼない感じですね。

 

著作権が無審査登録であることを考えると、それは審査もしないから、検索も要らないとなるのでしょうが。

 

それにしても、「承継の危機に瀕する文化財保護の緊急強化」というのが気になります。危機とか緊急とかの文言が並んでいると、この予算でいいのだろうかと判別がつきませんね。

 

まとめに代えて本日の痒いところ

 

  • INPITへの運営交付金は、116億円の予算要求

 

  • 特許出願技術動向調査分析費(事務費)は、4.4億円の予算要求

 

  • 分類・Fターム一元付与実施費(事務費)は、49億円の予算要求

 

  • Fターム等を用いた先行技術文献調査外注費(事務費)は、229億円の予算要求

 

編集後記

 

セブン・アイがそごう・西武を売却しましたね。

 

「そごう・西武」全株式、売却額は8500万円 企業価値2200億円から大幅減額:業績も下方修正 - ITmedia ビジネスオンライン

 

商標法の改正により、小売役務についても1つの分類で商標登録出願できるようにしたのは、まさに、百貨店やスーパーマーケットを意図していたと思うのですが、その一角である百貨店が時代の流れにより消えつつあるのか?!と思ってしまいました。

 

もちろん、商標法改正は、百貨店だけのためのものではないので、他の業態でも今後も活用されるから問題ないと思いますが、なんか一抹の寂しさを覚えますね。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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