著作権の話が続きましたので、
少し休憩です(笑)
最近、受講したセミナーから
話題を提供できたらと思います。
標準化です。
標準化はいろいろなネタがある
と思われますが、Suicaカード
が一つ有名なネタのようです。
1988年にソニーが
開発しました。
1996年にWTO政府調達
協定が発効します。
WTO政府調達協定とは・・・
政府調達分野では、東京ラウンドの多角的貿易交渉の結果策定された「政府調達に関する協定」(旧協定)(1981年発効、1987年改正)により、政府機関等による産品の調達に内国民待遇の原則(他の締約国の産品及び供給者に与える待遇を自国の産品及び供給者に与える待遇と差別しないこと)、及び無差別待遇の原則(他の締約国の産品及び供給者であって締約国の産品を提供するものに与える待遇をそれ以外の締約国の産品及び供給者に与える待遇と区別しないこと)が適用されてきました。ウルグアイ・ラウンドの多角的貿易交渉と並行して交渉が行われた結果、1994年4月にモロッコのマラケシュで作成され、1996年1月1日に発効したWTO政府調達協定(1994年協定)は、こうした規律の適用範囲を新たにサービス分野の調達や地方政府機関による調達等にまで拡大するもので、政府調達における国際的な競争の機会を一層増大させるとともに、苦情申立て、協議及び紛争解決に関する実効的な手続を定め、政府調達をめぐる締約国間の問題につき一層円滑な解決を図るための仕組みが整備されました。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/wto/chotatu.html
政府機関等による産品の調達
だけでなく、サービス分野の
調達に拡大されました。
これが大きかったのです。
JR東日本は、政府機関等
に含まれます。
また、国際規格が存在
する時は、国際規格に
基づき技術仕様を決め
なければなりませんでした。
第十条 技術仕様及び入札説明書
2 調達機関は、調達される物品又はサービスの技術仕様を定めるに当たり、適当な場合には、次の要件に従う。
(a)
当該技術仕様をデザイン又は記述的に示された特性よりも性能及び機能的な要件に着目して定めること。
(b)
国際規格が存在するときは当該国際規格、国際規格が存在しないときは国内の強制規格、認められた国内の任意規格又は建築規準に基づいて当該技術仕様を定めること。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ecm/it/page25_000439.html#section7
そこで、問題となったのが、
1999年2月に、
ISO/IEC合同のICカード
の国際標準化審議が
モトローラ方式と
フィリップス方式で進行
していたことです。
2000年頃に、
調達準備しました。
2000年7月頃には、
WTO政府調達違反だ!と
モトローラが異議申し立てを
しました。
ただ、フィリップス方式、
国際標準として成立したのは、
2001年6月。
JR東日本が日本の公開入札で
Felica方式カードの採用を
決定したのは、2001年5月。
1か月差で、紙一重でした。
国際規格成立前に、モトローラ
は、異議申し立てをしました。
- 100メートル走でいえば、フライング。
- 野球でいえば、デッドボールの演技。
- サッカーでいえば、ファウルを受けたと演技。
似たところはないでしょうか!?
なんか猛烈にアピールして、
こっち向いてくれて、
時間稼ぎできたら、
ラッキー的な行動。
それにしても、米企業は、
この様な手を使います。
日本企業もしたたかさが
必要ですね(笑)
それにしても、この1か月差
が逆転していたら、
ではなかったでしょう。
Felica方式が国際標準として
成立したのは、2004年3月。
ICカードではなく、
近距離無線通信としてです。
おそらく、改札で、
タッチ1秒では済まなかった
でしょう。
Suicaが出回り始めた頃は
高校生でした。目新しさに
飛びついた記憶があります。
まとめに代えて本日の痒い所
- 政府等の調達では、国際規格が存在するときは当該国際規格に基づいて技術仕様を定めなければならない
- Felica方式も、2004年3月に国際標準として成立している
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今週も知財の雑談を楽しみましょう。
今週は、交通系ICカードの雑談はいかがでしょうか。
今週は、日本と諸外国の権利を比較して、日本にない権利について雑談するのはいかがでしょうか。
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