IP RIP ~チザイの雑談~

知的財産(Intellectual Property)の「かゆいところに手が届く(Reach the Itchy Place)」お話です。

商標『環境とグローバル商標』[リッキー]

前回は、特許と環境問題のネタで書かせていただきました。今回は、商標と環境問題のネタで書かせてもらえたらと思います。

 

いきなりですが、質問です。

 

環境と聞くとどんな色を思いつきますか?

 

私は「緑」かな?と思うのですが、みなさんはいかがでしょうか?

 

緑色

 

お勤めの会社や組織が環境に関して我が社もわが組織もアピールをしたい!しなくては!というご時世になってきているかと思います。そんなときに、商標を活用したいななんて個人的に思います。

 

特に、グローバルに活動している会社や組織では、国ごとに異なる商標を使っていてはバラバラでまとまりがなく、アピール力が落ちるなんてことを懸念されるかもしれません。管理する観点からもまとまってくれているのが便利かなと思います。

 

そこで環境問題に取り組んでいることをアピールするために、「緑」をベースとした標章を作成して商標登録出願を日本にして、商標登録を日本で受けた後に、マドリッド協定議定書に基づく国際商標登録出願制度を使うことで多くの国に出願するとします。

 

実はここに難しさが潜んでいます。

 

環境と聞いたときに、「緑」ではなく、違う色を思い浮かべる国や地域があるのです。

 

電気製品に、エネルギースターやブルーエンジェルのマークがあるのを覚えていたりしませんか?

 

国際エネルギースタープログラム (energystar.go.jp)

 

環境省_環境ラベル等データベース_世界の主要なラベル_ブルーエンジェル (env.go.jp)

 

エネルギースターは米国発、ブルーエンジェルドイツ発なのですが、どちらも青っぽい色をしていませんか?欧米では、環境というと「緑」ではなく「青」のイメージなのかもしれません。

 

ここを見落としてしまうと、「緑」ベースのエコマークを日本で商標登録を受けて、いざ世界展開と頑張っても、欧米では「緑」ベースのエコマークであるがゆえに、なんで「緑」色なんだろうって違和感を持たれてしまい、浸透しにくいかもしれません。

 

他の国はどうなのかわからないですが、例えば、アフリカも独特の色の好みがありそうに思います。

 

全世界的に一つの商標で攻めたい場合には、この感覚のずれが問題となりそうです。

 

他にも国や地域によって、同じ言葉を見ても思い浮かべるものが違うことが多いですから、商標の難しさはここにもあるのかもしれませんね。

 

まとめ

 

特許と環境問題に続き、商標と環境問題について考えてみました。特許にはない、商標ならではの難しさがあるように思いました。

 

次は、意匠と環境問題かなって考えたのですが、意匠と環境問題って関連性が特許や商標ほど無いかもと思っています。何か思いつくことがあれば、また書いてみたいと思いますので、お付き合いいただけると嬉しいです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!!

 

リッキー

 

 

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