1月の下旬にこんな発表があったようです。
※最初に表示していたリンクがリンク切れになっていましたので、別のリンクを貼りました。失礼しました。(20230313)※
パナソニックも録画用ブルーレイディスクから撤退 「テレビ番組の録画保存」はなぜ下火になったのか | マネーポストWEB
“かつて「ビデオデッキ」が広く普及していた時代、テレビ番組はビデオテープに録画するものだった。時が流れてハードディスクレコーダーが普及すると、番組はハードディスクに録画するようになり、その番組データを保存するメディアとして、DVDやブルーレイディスクが使われるようになった。
そして、ネットでの動画配信サービスやテレビ局による見逃し配信が一般的になったことで、テレビ番組を録画する習慣がなくなった人も増えているだろう。そういった状況の中で、録画用ブルーレイディスクの需要が減っているのだ。“
劇的に変化が起きているわけではないようですが、放送番組には長い時間をかけて変化が起きているようです。放送番組にまつわる話をしていきたいと思います。
放送番組と関連のある記憶媒体の歴史
ウィキペディアによれば1976年ごろに最初のビデオデッキが発売されたようです。
私の記憶によれば、上記のようにだんだんと録画する番組の量が増え、より大容量のデータを記憶できるように、磁気テープから光ディスクに変わっていきました。光ディスクも、レーザーディスクからCD、DVD、ブルーレイディスク(BD)のようにMB単位からGB単位に記憶容量がアップしました。
そんな中、HD-DVD vs BDのような熱い規格争いが繰り広げられ、最終的にはBD陣営が勝利したとかそんなことが2000年代にあったかと思います。
放送番組と関連のある近時の著作権法改正
さて、時代の変化に合わせて、著作権法も法律の改正が進められています。
令和4年1月1日に施行された改正著作権法では、インターネットでの放送番組の同時配信について権利処理を円滑にするために、著作物を放送番組で利用することを認める契約をした場合、権利者が別段の意思表示をしていなければ、著作物の利用を放送番組のみならず、インターネットでの放送番組の同時配信でも利用を許諾したと推定する「許諾推定規定」が創設されました。
著作物の利用許諾を放送番組については契約したけど、インターネット同時配信について未契約状態でインターネット同時配信が行われていたという実態があったのでしょう。
引用した記事にあるように、ネットでの動画配信サービスやテレビ局による見逃し配信が一般になりつつあることを裏付けていると思います。
放送番組と関連のある判決
また、今でこそ、インターネット同時配信や追っかけ配信などサービスが充実していますが、判例を振り返ってみると、当然ながらインターネット同時配信や追っかけ配信などが充実していなかった時代があることも見て取れます。
まねきTV事件では、サービス事業者が地上波を受信して放送番組をベースステーションに録画し、ベースステーションにて放送番組を送信可能化し、インターネット回線を介してユーザーに自動公衆送信をしたことが、著作権侵害と判断されました。
ロクラクⅡ事件では、サービス事業者が地上波を受信して放送番組を親機ロクラクに録画し、子機ロクラクをユーザーに貸与または譲渡して、放送番組をユーザーが子機ロクラクで受信できるようにしたことが複製権の侵害を問われ、著作権侵害と判断されました。
両事件が起きた頃は、放送番組を外出先で見たいという需要がありながらも、インターネット同時配信や追っかけ配信などがなく、違法でしたが、別の手段により放送番組を外出先で見たいという需要に応えようとしていたことがわかります。
放送番組と関連のある制度
昨年末、私的録音録画補償金制度の対象にBDを含めることに対して、パブリックコメントが募集されていました。
引用した記事では、BDに放送番組を録画する習慣が薄れてきているかもとの指摘がありましたが、私的録音録画補償金制度の対象にBDを含めようとしていることから、そろそろBDの需要もピークなのか、ピークを過ぎたのかもしれません。
まとめ
パナソニックの録画用BDの事業撤退を題材に、放送番組に関連する記憶媒体、著作権法改正、判決、制度についてまとめてみました。ほかのまとめ方もあるとは思いますが、面白く、おかしく、懐かしく、読んでいただけたらなと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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