IP RIP ~チザイの雑談~

知的財産(Intellectual Property)の「かゆいところに手が届く(Reach the Itchy Place)」お話です。

著作権の雑談『富山市住宅地図事件』[リッキー]

前回から図形の著作物

を見ていました。

 

立替マンション設計図事件

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/124/085124_hanrei.pdf

 

今回はこちら

 

富山市住宅地図事件

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/325/014325_hanrei.pdf

 

建築物の設計図は、

施行者が施工しやすく

記載ルール等が

決まっており、

 

ありふれた表現に

なりやすく、

選択の幅も狭い

という特徴がありました。

 

地図はどうでしょうか?

 

一般に、地図は、地球上の現象を所定の記号によつて、客観的に表現するものにすぎないものであつて、個性的表現の余地が少く、文字、音楽、造形美術上の著作に比して、著作権による保護を受ける範囲が狭いのが通例ではあるが、各種素材の取捨選択、配列及びその表示の方法に関しては、地図作成者の個性、学識、経験等が重要な役割を果たすものであるから、なおそこに創作性の表出があるものということができる。そして、右素材の選択、配列及び表現方法を総合したところに、地図の著作物性を認めることができる。

 ところで、地図における著作権侵害の成否を判断するに際しては、地図における著作物性が右のとおりであることの結果として、著作物性がある部分を個々的に抽出することは困難であり、結局、侵害の成否は全体的に判断せざるを得ないことになる。

 

 

地図は、地球上の現象

を所定の記号で表す

から、

 

個性的表現の余地

が狭いのだそうです。

 

日本地図

 

となると、

ありふれた表現や

選択の幅が狭い

といったことに

つながりやすく、

 

創作性が認められ

にくいのかと

思います。

 

ところが、これは

保護の範囲が狭く

なるだけのようです。

 

「だけ」ではない

かもしれませんが。

 

  • 各種素材の取捨選択
  • 各種素材の配列
  • 各種素材の表示の方法

 

に個性の表出がある

と認められて、

著作物性は肯定

されるようです。

 

同じ図形の著作物でも、

建築物の設計図と、

地図とでは性格が

ことなるようです。

 

しかも地図の場合、

文章のように

この部分に創作性

があるということも

難しそうで、

 

全体を見て判断する

こととされています。

 

これもまた

特徴に思います。

 

また、保護の範囲が

狭いということは、

下記にも関連して

いそうです。

 

新著作が他人の著作物を基本として作成された場合であつても、そこに独自の創作性が加えられた結果、通常人の観察するところにおいて、旧著作の著作物としての特徴が、新著作の創作性の陰にかくれて認識されないときは、新著作は単なる複製でも二次的著作物でもなく、他人の著作物の自由な利用により創作された独自の著作物であると認められ、著作権侵害とはならないというべきである。この場合、模範として利用された旧著作の独自性が顕著であればあるほど、新著作中に化体さたた精神的業績が高度であることが、新著作を独立の著作物として保護するため必要とされるが、旧著作が個性的表現の僅少なものであれば、これに対する著作権による保護は厳格に限定されねばならないから、新著作の著作物としての独自性 は認められ易くなるといえる。

 

だいたい地図を

さくせいするときは、

衛生写真か

他の地図を参考に

してしまうでしょう。

 

まさか、自分で

一から測量して、

伊能忠敬のような

ことはしないでしょう。

 

伊能忠敬

 

人生100年いえど、

人生の半分を測量に

費やしてしまいます。

 

しかも、日本の地図

だけしか書けません。

 

ですから、

別の地図の著作物

に依拠しなければ

ならないのは

必然です。

 

このようなことも

考慮されてなのか、

旧著作としての特徴が、

新著作の創作性の陰に

かくれて認識されない

ときは、

 

独自の著作物となる

そうです。

 

しかも、旧著作の

著作権を侵害しない

だとか。

 

だとすれば、

何かの地図を参考に

自宅周辺地図を

書こうとしたときに、

 

どの道路を選ぶのか

近くの目印の

商業施設に何を

選ぶのか

など、選択して、

 

独自に地図を書けば、

著作権侵害となりにく

そうです。

 

しかも道路を棒線

で書くなど、

簡素化すればすれば

するほど創作性は

認められ難くなり、

 

著作物としての保護を

受けられにくくなると

思われます。

 

HPに地図を挿入

する際にgoogleマップ

を挿入する例を

みますが、

 

これは、google

地図の著作権

侵害するおそれがあります。

 

Googleマップ

著作権があるとの

前提で、

 

Google著作権

行使していないに

すぎないからです。

 

著作権侵害をしない

ように、googleマップ

から地図の挿入はしない

方がいいでしょう。

 

住所や居所を、

文字で書くと

もはや著作権侵害

ないでしょう。

 

もし、それでは

足りないというので

あれば、他の地図を

参考に、

 

ご自身で地図を書き

ましょう。

 

なるべく簡素に

棒線で道路を書くなど

すれば、著作権侵害

のリスクを減らせます。

 

これはHPに限らず、

プレゼン資料も同じ

です。

 

自社や自店舗の位置を

お知らせしたく

なりますが、

 

ご自身で地図を書く

のがいいでしょう。

 

まとめに代えて本日の痒い所

 

  • 地図は、建築物の設計図と比較すると、著作物性が認められやすい傾向にある

 

  • 地図は、旧著作を参考にしても旧著作を感得できないほど変更されていれば、独自の著作物となり得る

 

  • HPやプレゼン資料に、自社や自店舗の周辺地図を載せたい場合は、権利処理をするか、自分で書きましょう

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今週も知財の雑談を楽しみましょう♪

地図の著作物性について雑談するのはいかがでしょうか?

 

 

 

 

 

リッキー

 

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