IP RIP ~チザイの雑談~

知的財産(Intellectual Property)の「かゆいところに手が届く(Reach the Itchy Place)」お話です。

教育『子供の遊びと知的財産スキル』[リッキー]

朝晩が涼しく、ちょっと寒いかもと思える気候になりました。少し寒暖差がついてくると風邪をひきやすいので、くれぐれもご自愛くださいませ。私は、季節の変わり目にいつものように体調を崩しています。

 

政府の知的財産戦略本部には知財教育のページがあります。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tizaikyouiku/program.html

 

小学校向け、中学校向け、高校向けと教材、指導案、参考資料等が記載されており、今後も拡充されていくでしょうから、子供がどんな教育を学校で受けるのか楽しみにしています。

 

さて、今回は、幼稚園以下向けでこんな遊びが知的財産スキルに関わっていそうだという勝手な想像をシェアさせていただきたいと思います。これらの遊びに熱中しているお子さんをお持ちでしたら、そのお子さんは将来知的財産職に向いているかしれません。進路に悩んでいる場面に出くわしたら、小さい頃に得意だったことを教えてあげると、何かの気付きになるかも。

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1.探し絵

 

探し絵では、見本の絵と同じ絵を探して遊びます。下記のリンク先で無料プリントが配布されています。

https://happylilac.net/sagase-dobutsu.html

 

特許、意匠、商標、いずれでも、出願するに当たり、先行技術、先行意匠、先行標章を検索します。その目的は、同じ技術、意匠、標章を見つけることにあります。手元には、出願に係る技術、意匠、標章があるはずですから、Jplatpatのような検索ツールを使って、見比べながら、同じ技術、意匠、標章を探します。

 

いかがでしょうか。大人と子供でやることは違うので、難易度も全く違い、調査範囲も違いますが、見本と同じものを探し出す点については同じと言えるのではないでしょうか。続けて、さらに2事例を紹介していきたいと思います。

 

 

2.間違い探し

 

間違い探しでは、左右のページの絵を見比べて、違うところを見つけます。

https://happylilac.net/machigai-h.html

 

例えば、特許では、新規性あり、進歩性ありと主張する際に、必ず自己の出願と先行技術との一致点、相違点の認定を行います。間違い探しでも、知らず知らずのうちに一致点を認識していて、間違いの部分だけを探し出します。間違いの部分≒相違点ですよね?そう考えると、間違い探しというあそびを通して、子供は一致点、相違点の認定の訓練をしているといえそうです。

 

 

3.仲間集め

 

最後は、仲間集めです。仲間集めでは、形だったり、色だったり、共通の特徴があるものを一つのグループにまとめます。

https://print-kids.net/print/sansuu/nakama-atsume/

 

仲間集めは、一致点の認定の訓練になるのではないかと思います。それだけでなく、特許群をつくるときにも、仲間集めのあそびで培った力が活かされているのではないかとも思います。仲間集めは、完全一致を求めるものもあれば、形は同じ星型だけれども大きさがちがうとか、同じ色をしているけれども形が違うとか、微小な差異があっても特徴がおなじであれば仲間だよねということで一つのグループにまとめるものもあります。後者の場合は、一致点の認定の訓練というよりは、似たもの同士の特許権を集めてくる特許群の形成の訓練に役立つように思います。

 

 

4.まとめ

 

幼稚園以下向けでこんな遊びが知的財産スキルに関わっていそうだという勝手な想像をシェアさせていただきました。例として、探し絵、間違い探し、仲間集めの3つを紹介しました。なるほどと思っていただけたら嬉しいですが、もっとこんなスキルに関係しているのでは?という意見もあると思っています。子供のあそびには、将来につながる大切なスキルを学ぶ場であると勝手に再認識していました。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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リッキー