言語の著作物
の判決文をいくつ
か見てきました。
音楽の著作物の
判決文を
と思いましたが、
ちょっと勉強不足
なので、
先に、舞踏又は無言劇
の著作物の事件を
紹介します。
フラダンス振付事件
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/029/088029_hanrei.pdf

この判決文を
読むまでは、
フラダンスに
ついて調べることも
ありませんでした。
ただ判決文から
一般常識を
学べるのも
面白いですね。
フラダンス又はフラは、
歌詞をハンドモーション
またはボディーランゲージ
で表現するのですね。
それすら知りません
でして、判決文を
読んでそうなのか
と学びがありました。
単にゆらゆら~と
踊って見えている
私は、素人なんですね。
義母は、フラダンス
を習っているそうで、
このフラダンス振付
事件から、話題を
広げることが
できるかもしれない
と思いました。
さて、フラダンスの
振付に著作物性は
認められるのでしょうか?
認められるとたら、
どんなところに、
著作物性が認められる
のか?
見てみたいと思います。
ハンドモーションは、
歌詞を表している
とのことから、
手話みたいなもの
なのでしょうね。
とすると、
ハンドモーションに
著作物性を
与えるには、
手話において、
あたらしい表現の
仕方をしなくては
ならないのと
等しそうです。
当然新しい手話の
表現方法でしたら、
他の人には意味が
分からないでしょう。。。
判決文には
下記の記載があります。
エ 他方,上記で述べたのと異なり,ある歌詞に対応する振付けの動作が,歌詞から想定される既定のハンドモーションでも,他の類例に見られるものでも,それらと有意な差異がないものでもない場合には,その動作は,当該歌詞部分の振付けの動作として,当該振付けに独自のものであるか又は既存の動作に有意なアレンジを加えたものいうことができるから,作者の個性が表れていると認めるのが相 当である。
新しいハンドモーション
をつくり出さなくても、
有意な差があればOK
とのことですが、
どうしたら有意な差になる
のか・・・
既存のハンドモーションを
使う限り、個性の表れが
認められにくそうです。
では、ステップに
ついてはどうで
しょうか?
カ 以上のハンドモーションに対し,ステップについては,上記のとおり典型的なものが存在しており,入門書でも,覚えたら自由に組み合わせて自分のスタイルを作ることができるとされているとおり,これによって歌詞を表現するものでもないから,曲想や舞踊的効果を考慮して適宜選択して組み合わせるものと考えられ,その選択の幅もさして広いものではない。そうすると,ステップについては,基本的にありふれた選択と組合せにすぎないというべきであり,そこに作者の個性が表れていると認めることはできない。しかし,ステップが既存のものと顕著に異なる新規なものである場合には,ステップ自体の表現に作者の個性が表れていると 認めるべきである(なお,ステップが何らかの点で既存のものと差異があるというだけで作者の個性を認めると,僅かに異なるだけで個性が認められるステップが乱立することになり,フラダンスの上演に支障を生じかねないから,ステップ自体に 作者の個性を認めるためには,既存のものと顕著に異なることを要すると解するの が相当である。)。また,ハンドモーションにステップを組み合わせることにより,歌詞の表現を顕著に増幅したり,舞踊的効果を顕著に高めたりしていると認められる場合には,ハンドモーションとステップを一体のものとして,当該振付けの動作に作者の個性が表れていると認めるのが相当である。
ステップについても
単独では難しそうです。
選択の幅が狭く、
ありふれた表現の
組み合わせに
しかならない
とのことです。
ただ、顕著な場合には、
著作物性認められそうです。
舞踏又は無言劇
の著作物が例示列挙
されているのに、
実在しないのか?
と疑問を持つかも
しれませんが、
ハンドモーションと
ステップの組み合わせ
には、
ハンドモーションと
ステップを一体のもの
として著作物性が
認められる余地が
ありそうです。
では、どのような点に
著作物性が認め
られているか見て
みましょう。
(ウ) Pō anu ho‘okahi no au
a Pōは「夜」,anuは「寒い」,ho‘okahiは「ただ一人の」,auは 「私」の意味であり(乙54,3),原告は,これを「夜は寒く 私は一人」と訳 している。 b 本件振付け6では,大きく分けて,①両手の掌を下に返して右肘を 少し曲げ,そのまま両腕を下ろしながら胸の高さまで持って行き,胸の前で体に沿うように両腕を交差させて両手の掌を内側に向け,一連の動作は右に270度ターンするステップの中で行われる,②次に,ターンにより左斜め後ろを向いたまま, 両腕を伸ばしきるまで下ろしながら左斜め後ろへ左足右足を交互に2歩ずつ前進する,という2つのパートからなる動作をしている。 まず,①の動作についてみると,原告は,右回りに回転しながら両腕を下ろし胸 の前で交差させることで,暗い夜が続き,暗く寒くなっていることを表していると主張する。この点,甲25の他の振付け及び乙12の他の振付けはいずれも,手の動きについては本件振付け6と同様の動きをしているものの,その際にターンするものはない。ターンは通常のステップの一種ではある(乙5のスピンターン)が,「夜」や「寒い」といった静的な歌詞からターンすることはが通常想定されない上,両腕を降ろしながらターンすることによって体全体の躍動感を高めていることから,なお有意な差異があるというべきである。
「夜」や「寒い」といった
静的な歌詞からターンする
ことはが通常想定されない
とあります。
「夜」や「寒い」ときに
過激な動きをすると
通常想定されない
と判断されるのでしょうか。
まあ、裁判所はこんな
細かいところを
着目して判決文を
書いているのですね。
よく書けるもんだ、
関心するほかにありません。
まとめ
- フラダンスの場合、ハンドモーションやステップだけで、著作物性がみとめられにくそうであるが、組み合わせであれば、著作物性が認められる余地がある
- ハンドモーションやステップだけの場合、有意な差が求めれるが、「夜」や「寒い」といった静的な歌詞からターンするという表現をすると通常想定される範囲を超えるようである
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今週も知財の雑談を楽しみましょう。
今週は、舞踊・無言劇の著作物について雑談するのはいかがでしょうか。

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