こんにちは。MIです。
まだまだ花粉が飛んでますね。今もマスクの下は両鼻に鼻栓を突っ込んでいます。。。この時期滑舌が悪いのはそういうワケなんです(娘の保育園の先生スミマセン)。
さて、先日3/30に、特許庁から「特許庁ステータスレポート2022」が公開されました!これは、特許庁が「最新の特許庁の統計情報及び政策の成果をいち早く発信する」ために作成・公開しているものです。
いろいろなデータが出ていて面白いです。友達やお客さんに話すネタにもなりますし。
というわけで今回は、特許庁ステータスレポート2022から、私が興味を持ったデータについて書いてみたいと思います!よろしくお願いします。
- 特許について ~出願件数減少に歯止め?!~
- 意匠について ~意匠制度の利用状況に動きあり?!~
- 商標について ~増加傾向は落ち着いたものの取り合いは続く?!~
- 世界の動き ~日本は取り残される?!~
- おわりに
特許について ~出願件数減少に歯止め?!~
まずは特許から見ていきましょう。
2021年の特許出願件数は「289,200件」でした。前年(2020年)の「288,472件」からは微増となりましたが、過去10年のデータから明らかな減少傾向に歯止めが掛かったとは言い切れないかなと思います。数年前に高校で知財授業をやったときの資料に書いた「特許出願は年間約32万件!業務時間中に1分で2.8件!(320,000件÷12ヶ月÷稼働日20日÷8時間÷60分)」は、そろそろ修正しないといけませんね。。。
出典:特許庁ステータスレポート2022
また、特許については、国内企業の特許登録件数上位10社のランキングで、上位5社のうち、前年1位のキャノンが3位に後退し(3,680件→3,134件)、前年2位の三菱電機と同3位のトヨタ自動車がそれぞれ1位(3,626件→3,494件)、2位(2,714件→3,389件)に上昇しました。
意匠について ~意匠制度の利用状況に動きあり?!~
2021年の意匠出願件数は「32,525件」でした。前年(2020年)の「31,798件」から増加しており、過去10年のデータを見ると横ばいではあるものの、今後の更なる増加も予想できる数字かと思います。実際、実務でも意匠出願の相談は以前と比較して増えている感じがあります。
出典:特許庁ステータスレポート2022
国内企業の意匠登録件数上位10社のランキングでも、4社が前年10位圏外からランクインしています(うち2社は前年20位以下。特許は圏外からのランクインは1社のみ。)。特許に比べて全体の件数が少なく、動きやすいランキングではありますが、意匠制度の利用状況の変化には今後も注目です。
商標について ~増加傾向は落ち着いたものの取り合いは続く?!~
2021年の商標出願件数は「184,631件」でした。前年(2020年)の「181,072件」からは増加していますが、過去10年を見たときの増加傾向は頭打ちになっている感じがします。
出典:特許庁ステータスレポート2022
また、商標といえば、「異議申立て」や「取消審判(不使用取消)」の件数も気になったんですが、前年比で増えているとはいえ、これがどの程度の数値なのかは判断に迷います。自分的に数値のイメージは持ちつつ、今後の変化に注目したいと思います。
取消審判(商標)請求件数の推移
出典:特許庁ステータスレポート2022
異議申立件数(権利単位)の推移 ※商標はオレンジ色
出典:特許庁ステータスレポート2022
世界の動き ~日本は取り残される?!~
最後に、世界の動向です。
全体としては、世界の出願件数は中国の件数に引っ張られている感じです(中国以外はグラフ上では横ばいに見えてしまう)。
そんな中ちょっと気になるのは、10年前(2011年)と比較した日本(JPO)の各出願件数の伸びが、他の4庁よりも小さい点です(特に、特許は日本のみ減少している)。
特許:五庁(IP5)の特許出願件数の推移
出典:特許庁ステータスレポート2022
意匠:ID5の意匠登録出願の意匠数の推移
出典:特許庁ステータスレポート2022
商標:商標五庁(TM5)の商標登録出願件数の推移
出典:特許庁ステータスレポート2022
日本の出願件数の減少については前々から言われていることですが、改めて見ると、出願をメインとしている特許事務所側の人間からしても明るい話題ではないですね。。。
おわりに
「特許庁ステータスレポート2022」にはまだまだいろんなデータが載っており、見る人によっては非常に有意義な発見もあると思います。また、このような統計について知っておくことに損はないと思います。是非、ご一読ください!
本日もお付き合いいただきありがとうございました!