IP RIP ~チザイの雑談~

知的財産(Intellectual Property)の「かゆいところに手が届く(Reach the Itchy Place)」お話です。

弁理士「弁理士試験最終合格者発表! ~そこで思ったこと~」【MI】

こんにちは、MIです。

本日、令和3年度弁理士試験の最終合格者が発表されましたね。合格された方、本当におめでとうございます!

というわけで、今年は以前の記事でも触れましたように某所で口述模擬試験に関わらせていただいたこともあり、楽しみにしていた合格発表を見て思ったことを書かせていただきます。お付き合いいただき話のタネにしていただければうれしいです。よろしくお願いします!

 

 

令和3年度の最終合格者は199人! ~少ない!!~

令和3年度の弁理士試験最終合格者は199人ということです。これは、近年(H28以降)の傾向からしてかなり少ない人数ではないでしょうか。

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※データは特許庁HPで公開されたものから抽出

近年の傾向からして、最終合格者数は論文合格者数と同等以上だったのが、今年は12人少ないという結果になりました。論文合格者数も近年では少なめでしたが、それを更に下回る最終合格者数となりました。合格率も特許庁の公表待ちですが、志願者ベースで計算した値で近年最低となっています。

 

なぜ最終合格者数が減ったのか? ~弁理士数や出願件数との対比~

完全に趣味です(因果関係は明確ではない)が、最終合格者数の減少を、最近の弁理士数や特許出願件数と対比して考えてみたいと思います。

まず、最近の弁理士数は増加傾向にあります。

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※データは弁理士会HP「会員分布状況(https://www.jpaa.or.jp/about-us/members/)」より抽出

一方、最近の特許出願件数は減少傾向にあります。

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※データは特許庁HPで公開されたものから抽出

特に、2020年度は減少幅が拡大しついに30万件を下回ってしまいました。2021年度も、現在公表されている2021/1月~10月の件数「243,221件」が、前年同期(2020/1月~10月)の件数「244,978件」を下回っており、減少幅は緩やかになったかもしれませんが、減少傾向に歯止めはかかっていません。

私見弁理士数は増えているのに飯のタネである特許出願件数は減っている、、、これは最終合格者数の減少と無関係ではない気がします。優秀な人であれば無制限で弁理士になってください!(弁理士数を青天井に増やす)というわけにもいかない(既登録者の既得権益も守る必要がある)と思うので。。。

 

弁理士試験受験の勧め ~若い方と女性に向けて~

それでもやはり弁理士業界にいる者として、業界が盛り上がって欲しい!そのためにはたくさんの多様な方に弁理士試験を受験していただき、登録していただかないといけないと思います。

そこで、まずは若い方。前述の弁理士会HP「会員分布状況」の最新データ(2021/11/30時点)では、弁理士年齢分布では40歳未満の登録者は全体の「11.5%」となっています。人口比での是非は分かりませんが、少なくとも40歳未満で合格・登録すれば、弁理士業界の1割の人材になれるわけです。

次に、女性。先日、知財業界は女性の年収が比較的高いという記事を見ました。

女性の平均年収は345万円 上位を占めた職種は?:昨年から2万円減(1/2 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン

『全体傾向としては、「法務」(541万円)、「知的財産・特許」(537万円)といった「企画・管理職」が上位50職種中のうち17職種で全体の約4分の1を占め、最多となった。』

また個人的には、知財業界は「在宅勤務」や「時差勤務」がしやすいのではないかと思っています。これらは大きなメリットになると思います。

 

おわりに

今年は弁理士試験についていろいろと考えるいい機会になりました。弁理士として、弁理士の入り口としての「弁理士試験」について継続的に知っておくのも大事だなと思います。今後も毎年ドラマが生まれると思うので、追っていきたいと思います!

改めて、弁理士試験に最終合格された方おめでとうございました!