IP RIP ~チザイの雑談~

知的財産(Intellectual Property)の「かゆいところに手が届く(Reach the Itchy Place)」お話です。

弁理士『他業界と弁理士業界の比較』 [リッキー]

クリスマスも過ぎ、もういくつ寝るとお正月という時期になりましたね。あまり堅い話にならないようにしたいと思います。

ヘッドスパ



年内最後のヘアカットへ美容室に行ってきました。美容師さんは、カットしながらいろいろと話をしてくれますが、いろいろなお客さんがいるから引き出しの広さが求められてしまうから大変そうだなといつも思います。(中には話しかけられるのが嫌だから話しかけないでとウェブ予約の時にコメント欄か何かに書いていたけど、結局話をされたみたいで憤慨されてSNSに書き込まれていた人もいましたが、なかなか話をしないというのが難しい性なのでしょう)

 

その中で面白い話をしたので、ちょこっとシェアさせていただきたいなと思います。トピックスは、「シェアサロン」と「人材不足」です。

 

シェアサロン

 

シェアサロンは、シャンプー台やカットするときの座席など美容室の設備をレンタルしてくれる施設だそうです。外見からはわからないのですが、私がお世話になっている美容室から美容室最寄りの駅までの途中にある美容室の中にもシェアサロンが紛れているとのことでした。

 

コロナが流行して警戒感が強かった時期などは、カットやカラーに来るお客さんがいつもより間隔を空けてカットやカラーに来るようになり、売り上げもきつかったそうです。そのような頃にこのシェアサロンが流行りだしたみたいでした。やはり、箱物の商売ですので、出店する際の初期費用が数百万かかるでしょうし、賃貸費用なども高いので、そこを抑えるのが目的のようでした。

 

デメリットは、忙しくなったとしてもアシスタントが必要となった時には自分でアシスタントを雇わなければならないとのことでした。シェアサロン内にいる美容師さんはフリーランス同士ですので、ちょっと手伝ってみたいなことが今まで見かけた美容室のようにはできないことだそうです。

 

一方、弁理士には、シェアオフィスというのが存在しないのかというと、ググってみればすぐわかるのですが、あります。やはりメリットとしては、初期費用を安く抑えられることです。ほかの業種に比べれば、弁理士はPCの作業がほとんどですからもともと初期費用が安い部類には入るとは思いますが、それでもまだまだメリットがあるようです。一方、デメリットとしては、面談をする場所が共用スペースだと情報セキュリティの面でお客さんに不安がられることです。会社でも管理職が事務所を訪問しているのですが、訪問の際に、情報セキュリティの面でうちは大丈夫ですと説明を受けるそうです。それだけ、情報セキュリティに気を配らなければならないのが美容師業界との違いであるのかなと思います。

 

また、合格同期が経営している事務所では、もちろん本人(所長)がいますが、フリーランス弁理士が所属しているそうです。事務員の方もいて、事務員の方はどの弁理士の案件でも事務を行ってくれるようです。シェアサロンと同じような経営形態だなと思いました。

 

脱線しますが、その所長は、自分でももちろん出願書類の作成をするのですが、仕事も企業から取ってきます。ただ、その仕事を所内で分配しようとしても、なかなか手が上がらないと嘆いていました。それだけ各弁理士が出願案件を抱えていて、尚且つ出願案件が溢れているのだから、経営としては結構なことではないかと思いましたが。

 

人材不足

 

もう一つは、人材不足の話です。12月、美容師の給料が低いという内容の業界自虐ネタの記事が出ていたそうです。新人の美容師の手取りが14万円ぐらいと聞いたのですが、話をよく聞くと、そこから国民年金保険料、社会保険料が引かれ、さらに、練習用のマネキン代、美容師に欠くことのできないハサミのローン支払いもあるらしいです。そう聞くと、それは大変だなと思ってしまいます。

 

給料が低いという記事が出回っている中、美容師の人材不足という情報も出回っているそうです。人材余りであるから、パイの総量が決まっていれば給料が低くなることはよくわかります。でも、一方では人が余っているという話で、他方では人が足りないという話だそうです。どの業界でもある話なのかなとは思いますが。

 

それでも「人材不足」は悪い話ではなくて良い話ですよねと話をしました。人材不足であれば、単純には、その人の希少価値が増しますから結果として、雇われる人の給料が上がる方向になるはずだからです。(←雇われる側の人間(=私)の意見)

 

この12月も燃料費高騰や生活必需品の高騰で生活が厳しくなるとか、防衛増税が必要だとかまだまだ消費税増税が足らないだとか、ニュースが飛び交っていますから、給与の増額は待ったなしの緊急の課題です。となると、人材不足の話がでてくるのは、なんら悪いことでなく、いいニュースなのかなと捉えなおしています。

 

一方、弁理士を見てみますと、平成27年から合格者数が毎年200~300人の間で推移しており、令和3年度においては合格者数が199人と200人の大台を割ってしまいました。令和4年度も引き続きですね。平成14年から平成25年までの合格者数が毎年500~800人の間で推移していることから、人材不足というよりは、人材の調整局面にあるのかなと思います。

弁理士試験合格者数の推移



それでも、事務所の経営実態を聞いていると、弁理士の年齢が上がり、最も若い弁理士が40代半ばという事務所もあるようで、若い弁理士が欲しいなとのことでした。弁理士は、年齢によっては人材不足と言えるでしょう。特に、20代、30代の弁理士は人材不足なのでしょう。野望の大きい方にはチャンスなのかもしれませんね。

弁理士試験合格者 年齢別内訳



まとめ

 

美容師さんのとの世間話から、「シェアサロン」と「人材不足」について書きました。弁理士業界にも「シェアサロン」と似た業務形態があります。また、「人材不足」は、20代、30代の弁理士に顕著なのかもしれません。希少価値が高いことはよいことですから、活かしていきたいなと思います。

 

リッキー

 

 

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