IP RIP ~チザイの雑談~

知的財産(Intellectual Property)の「かゆいところに手が届く(Reach the Itchy Place)」お話です。

著作権の雑談『製図プログラム事件』[リッキー]

前回までは

写真の著作物を

見てきました。

 

今回からは、

プログラムの

著作物を

見てみましょう♪

 

プログラムの著作物

 

製図プログラム事件

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/333/011333_hanrei.pdf

 

著作物性を

判断する際に

「創作性」が

ありました。

 

創作性は、

下記のような観点から

判断されることが

多いです。

 

  • 何らかの個性が発揮されているか
  • ありふれた表現か
  • 選択の幅

 

今回の事件は、

「何らかの個性が発揮されているか」

という観点から、

創作性が判断されている

ようです。

 

プログラムの創作性の有無及び同一性の判断についてある表現物が,著作権法の保護の対象になる著作物に当たるというためには,思想,感情を創作的に表現したものであることが必要である。そして,創作的に表現したものというためには,当該表現が,厳密な意味で独創性のあることを要しないが,作成者の何らかの個性が発揮されたものであることは必要である。この点は,プログラム(電子計算機を機能させて一の結果を得ることができるようにこれに対する指令を組み合わせたものとして表現したもの)形式で表現されたものであっても何ら異なることはない。プログラムは,具体的記述において,作成者の個性が表現されていれば,著作物として著作権法上の保護を受ける。

 

プログラムは、

著作物のひとつ

として例示列挙

されています。

 

ならば、著作物と

して認められやすい

かと思うのですが、

 

そうでもなさそう

なのです。

 

ところで,プログラムは,その性質上,表現する記号が制約され,言語体系が厳格であり,また,電子計算機を少しでも経済的,効率的に機能させようとすると,指令の組合せの選択が限定されるため,プログラムにおける具体的記述が相互に類似することが少なくない。仮に,プログラムの具体的記述が,誰が作成してもほぼ同一になるもの,簡単な内容をごく短い表記法によって記述したもの又は極くありふれたものである場合においても,これを著作権法上の保護の対象になるとすると,電子計算機の広範な利用等を妨げ,社会生活や経済活動に多大の支障を来す結果となる。

 

プログラムの

具体的な記述は、

 

合理的なプログラム

ほど、誰が作成しても

ほぼ同一になるもの

のようです。

 

そこに個性を発揮して

ありふれたものでなく

特徴ある表現にする

には、

 

合理的なプログラムを

書いてはいけない

ということになりそうです。

 

装置上のちっちゃな

メモリにいれるプログラムで、

10行程度で書けるものを

 

わざわざ50行ぐらいかけ

回りくどくするとか

でしょうか?

 

明らかにこうは書かない

というプログラムにして

おかなればならなそう

ですよね。

 

また,著作権法は,プログラムの具体的表現を保護するものであっ て,機能やアイデアを保護するものではないところ,特定の機能を果たすプログラムの具体的記述が,極くありふれたものである場合に,これを保護の対象になるとすると,結果的には,機能やアイデアそのものを保護,独占させることになる。したがって,電子計算機に対する指令の組合せであるプログラムの具体的表記が,このような記述からなる場合は,作成者の個性が発揮されていないものとして,創作性がないというべきである。

 

あと、

機能やアイデアは、

特許での保護が

可能です。

 

権利者側としては、

特許でも著作権でも

プログラムを保護したい

と考えるものですが、

 

法律はそうは

したくないようです。

 

保護と利用のバランス

を欠くのでしょうか?

 

だから、

機能やアイデアは、

特許で保護するから、

 

著作権で保護しないよう

創作性なしとしますと

言われている気がします。

 

さらに,プログラム相互の同一性等を検討する際にも,プログラム表現には上記のような特性が存在することを考慮するならば,プログラムの具体的記述の中で,創作性が認められる部分を対比することにより,実質的に同一であるか否か,あるいは,創作的な特徴部分を直接感得することができるか否かの観点から判断すべきであって,単にプログラムの全体の手順や構成が類似しているか否かという観点から判断すべきではない。

 

プログラムの全体の手順

や構成が類似しているか

否かという観点からは

判断すべきでないと

あります。

 

手順と言うのは、

判決文の記載を引用

すると、こうなるでしょうか。

 

原告プログラムのメニュー表示部における処理の流れは,①画面上に,データ作成(入力),修正,描画,説明,終了の順に各メニューメッセー ジを表示し,②ユーザーにいずれかのメニュー番号を選択(入力)させ,③ユーザーが入力したメニュー番号に応じて,各機能を実行するファイルを呼び出す

 

ここに著作物性

ありとして、

著作権が発生

してしまうと、

 

多くのプログラムが

困った事態になりそうです。

 

まとめに代えて本日の痒い所

 

  • プログラムの著作物は、著作物の例として例示列挙されている

 

  • 製図プログラム事件においては、何らかの個性が発揮されているか、ありふれた表現かの観点から創作性が判断された

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今週も知財の雑談を楽しみましょう♪

今週はプログラム著作物について雑談するのはいかがでしょうか!?

 

 

 

リッキー

 

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