IP RIP ~チザイの雑談~

知的財産(Intellectual Property)の「かゆいところに手が届く(Reach the Itchy Place)」お話です。

著作権「ファスト映画 初の逮捕者について」【マータ】

みなさま、こんにちは。

f:id:discussiong1:20200920015636p:plain https://twitter.com/b8L18UnY7nPd5NC

 

十年以上の昔の話になりますが、わたしの友人の一人に

 

「映画は早送りしながら見ている」

 

と言う人がいました。それを聞いて当時の自分は、

 

「かわってるなー。そんな見かたして楽しいのかな?」

 

と思っていたのですが、下記の記事にも書いているように、「映画の早送り視聴」は今の時代ではそれほど珍しい行動ではなくなっていますね。

 

参考記事:
2021.03.29 現代ビジネス
「映画を早送りで観る人たち」の出現が示す、恐ろしい未来
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81647

 

そして、この記事には、
YouTube上には、5分の動画で映画1本を結末まで解説してくれるチャンネルまである。1動画あたり、コンスタントに数万〜数十万回再生、人気のものだと数百万回も再生されているから、なかなかのものだ。」とも書いています。

 

現代人は、世の中に大量にあふれる映像コンテンツをいかに効率よく消費するかにやっきになっているようです。

 

さて、ここ数日、「ファスト映画」なるものが話題になっていますね。ファスト映画とは、「無断で映画の画像や映像を使って、内容を10分間程度にまとめ、ウェブ上で明かす動画」です。上記の記事で指している「5分の動画」がファスト映画を意図していたかどうかはわかりませんが、現代の時代背景を反映してファスト映画は昨年春ごろから急増し、YouTube上に確認できただけでも55アカウントあり、なかには合計8000万回再生されたアカウントもあったそうです(後述の参考記事参照)。そして、投稿者は多額の広告収入を得ていたようです(現在では、多くの動画は削除されているとのこと)。

 

しかし、ファスト映画の殆どは明らかに著作権法違反であり、最近初めて逮捕者がでました。

 

参考記事:
2021.06.20 NHK NEWS WEB
「ファスト映画」投稿急増 映画産業界に危機感 法的措置も
https://www3-nhk-or-jp.cdn.ampproject.org/v/s/www3.nhk.or.jp/news/html/20210620/amp/k10013094761000.html?amp_js_v=a6&_gsa=1&usqp=mq331AQKKAFQArABIIACAw%3D%3D#aoh=16247981522631&referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.com&_tf=%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B9%3A%20%251%24s&share=https%3A%2F%2Fwww3.nhk.or.jp%2Fnews%2Fhtml%2F20210620%2Fk10013094761000.html

 

2021.06.27 JIJI.COM
ファスト映画、なぜ横行 無断編集、10分でネタバレ―強まる「時間効率」重視
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021062600356&g=soc

 

2021.06.27 JIJI.COM
100万回再生、瞬く間 投稿の男性「合法」主張―ファスト映画
https://www-jiji-com.cdn.ampproject.org/v/s/www.jiji.com/amp/article?amp_js_v=a6&_gsa=1&k=2021062600357&g=soc&usqp=mq331AQKKAFQArABIIACAw%3D%3D#aoh=16247981522631&referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.com&_tf=%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B9%3A%20%251%24s&share=https%3A%2F%2Fwww.jiji.com%2Fjc%2Farticle%3Fk%3D2021062600357%26g%3Dsoc

 

今回の逮捕の報道により、ファスト映画の拡散に関しては一定の抑止力が働くと思います。しかしながら、大量の映像コンテンツを効率よく消費したい現代人の願望は、今後も変わることがないため、著作権に関する同様な問題はまだまだ発生しつづけると思います。映像の受けて側である我々の視聴行為も最終的には違法な動画のさらなる拡散や投稿者の利益に繋がってしまうため、注意が必要ですね。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!!