IP RIP ~チザイの雑談~

知的財産(Intellectual Property)の「かゆいところに手が届く(Reach the Itchy Place)」お話です。

弁理士「文章に表れる書き手の個性」[らるご~]

特許事務所勤務の弁理士らるご~です。

私事ですが、私の子供が通う保育園では、子供を迎えに行くと、その日1日のクラスの様子を記した報告メモが玄関に掲示されています。その報告メモは日ごとに様々な保育士さんが書いて下さり、子供の迎え時にそれを読むのが日課となっております。その報告メモについてですが、最近2,3行読んだ時点ですぐに、書いた保育士さんか誰か分かるようになってきました。小説等でも同じかと思いますが、文章からにじみ出る書き手の個性のようなものを感じ取っているのだと思います。

ということで、今回のテーマは、「文章に表れる書き手の個性」についてです。

 

◆書き手次第で読みやすい(にくい)明細書

特許事務所に勤務していらっしゃる弁理士の方の場合、何らかのきっかけで同じ事務所内の他弁理士の特許明細書を読む機会があると思います。そのときに、「A(B)弁理士の明細書はいつも読みやすい(読みにくい)」というような感覚を持ったことはないでしょうか。こんなことをお聞きするのは、私にとっては、発明の内容に関わりなく、どの案件であっても毎度読みやすいA弁理士が実在しているからです(毎度読みにくいB弁理士も然り)。知財部の方にとっても、いつも明細書が読みやすい(にくい)弁理士さんを認識されているのではないでしょうか。このように、発明の内容を論理的に説明する明細書であっても、書き手(弁理士)によって読みやすさの違いがあり、その違いは、その書き手(弁理士)の個性(≒思考の癖のようなもの)に因るところが大きいと思っています。ここでいう個性というのは、要素分解すれば、言葉選び、論理構造、単語の統一感、図の活用の巧拙などに分けられると思いますが、今回これらの点の深掘りはしません。

              書類とペンのイラスト

 

◆この記事で言いたかったこと

読みやすい=特許明細書として優れている、とは限りませんが、私自身の方針としては、発明を十分に説明することは大前提として、可読性にも十分に注意を払って文章を作成しています(しているつもりです)。しかし、注意を払ったところで自分が作成した文章を客観的に判断するのは難しいことから、いつも怯えながら仕事しているのが現状です。つまり、この記事で言いたかったのは、「文章に滲み出る書き手の個性が読みやすさの違いを生むとして、それならばそもそも読みやすい文章の定義って何だろう?」というボヤキです。「面白いマンガ」や「売れる芸人さん」の定義と同じで、きっと一義的に定義できるものではなさそうですよね。文章の読み手によっても、読みやすいor読みにくいの感覚は違いそうですし。懇切丁寧に説明しようとすれば自ずと文章は長くなって読み手に負担を強いることになり兼ねず、かといって、間欠手短に説明すれば今度は読み手が内容についていけなくなる可能性が高くなる…そんなトレードオフな悩みを再認識させられる機会が近頃多かったため、今回このようなボヤキの記事を挙げた次第です。

 

◆まとめ

以上、「文章に表れる書き手の個性」でした。個性というと生得的なニュアンスを多分に含むニュアンスがあるため、適切な表現ではなかったかもしれませんね。

最後に、読みやすい文章とは、逆説的ではありますが、読みやすい文章って何だろうと試行錯誤して書かれた文章のことなのかもしれません。旨いことを言おうと思いましたが、あまり旨くないですね。こんな文章をここまで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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