今回もプログラムの
著作物をテーマに
したいと思います。
プログラムの著作物は
後から、著作権法の
中に取り込まれたので、
ちょっと異端な感じ
があります。
条文上も、他の著作物とは
異なった規定が設けられて
います。
さっそく、見てみましょう!
まずは、
職務上作成する著作物の著作者
です。
職著作と略したりします。

職務著作
第15条 法人その他使用者(以下この条において「法人等」という。)の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。
2 法人等の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成するプログラムの著作物の著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。
法人等の発意に基づき
作成された著作物の
著作者は法人等です。
という条文です。
第1項では、
「(プログラムの著作物を除く。)」
との記載が目立ちます。
では、他に規定があると
思われるのですが、
すぐ下の第2項に記載があります。
さて、何が違うのでしょうか?
「その法人等が自己の著作の名義の下に公表する」
との記載が見当たりません。
ここが大きな違いでしょう。
それこそ、小説でしたり、
音楽でしたり、すると、
公表が前提です。
自分で自分のために書いたり、
演奏したり、ということは
あると思いますが、
やはり、多くの人に見て、
読んで、聴いて、もらいたい
と思います。
ところが、プログラムは、
どんなコードなのか、
プログラマーは気になる
と思います。
ただ、プログラムを購入する
多くの人は、プログラムに
よって実現される機能が
欲しいのであって、
どのようなコードで書かれて
いるかどうかはあまり
気にしていないと思います。
ゲームもプログラムで記載
されますが、ゲームで遊ぶ
ことが主な目的といった
ところでしょうか。
次に進みましょう。
同一性保持権
第20条 著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。
2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する改変については、適用しない。
・・・
三 特定の電子計算機においては実行し得ないプログラムの著作物を当該電子計算機において実行し得るようにするため、又はプログラムの著作物を電子計算機においてより効果的に実行し得るようにするために必要な改変
・・・
続いては、同一性保持権です。
著作者の意に反した
改変をしてはならない
という規定です。
ただ、どんな改変も
してはいけないのか
というと、
そうではありません。
プログラムですと、
少なからず、バグが
存在します。
たまーにおかしくなって、
PCを再起動しなくては
ならないときもあるかと
思います。
こんな程度のバグでしたら、
まだ許容範囲でしょうか。
ただ、修正したいときが
あります。
修正するたびに、
著作権者に修正しても
良いかどうか、
お伺いを立てていたのでは、
お伺いをする方も
大変ですし、
お伺いされる、著作権者も
大変です。
バグを見つけて、
修正してもいいか問い合わせた後、
10分ごとに、
バグを発見して、
10回も電話、
または、メール、メッセージ
を送るのでは、
送る側も大変ですし、
受ける側も、
1回でまとめてよ!
となりそうです。
まとめるとなると、
送る側も整理が
大変です。
ちなみに、WINDOWS95
が販売された時には、
まだ3000個以上のバグ
が残った状態だった
そうです。
「そんな状態でもの売るなんて
けしからん」
なんて声も聞こえてきそうです。
ただ、実際に、これだけの数が
あるのですから、
同一性保持権の侵害と
言わずに、必要な改変と
認める方が、
建設的なのかなと思われます。
そんなこんなで、
プログラムの著作物
に関しては、
同一性保持権があり、
改変が禁止されているところ、
必要な改変については例外
とされています。
まだまだ、違いはあります。
それはまた次回に!!
まとめに代えて本日の痒い所
- プログラムの著作物は、職務著作、同一性保持権について、他の著作物と異なる規定がある
- 職務著作では、公表を前提にしていなくても、他の著作物と異なり、法人等が著作者になる
- 同一性保持権では、改変が禁止されているが、プログラムの著作物については、必要な改変が認められている
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今週も知財の雑談を楽しみましょう。
今週もプログラムの著作物について雑談するのはいかがでしょうか?

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